ブランディッシュ

日本ファルコム アクションRPG PC-98/PCE-SCD/SFC


Brandish

☆冥界の穴

 偉大なるドラゴンに守られし小国ビートル。
 そこには一つの伝承があった。

 「この国のどこかに全てを制する力の源がある」

 それを手に入れれば、ビートルの勢力を拡大させる事も出来るであろう。
 そう考え、野心を胸に秘めていた時の王ビスタルはその力を求め、配下である軍隊を守護神である偉大なるドラゴンに差し向けた。

 愚かな王の反逆に対しドラゴンは抵抗しなかったが、最後の時にその力を解放し、ビスタル王をその醜い野心にふさわしい姿に変え、ビートル全体を一夜にして民とともに地中の奥深くへと埋没させた。
 このようにして、守護神であるドラゴンに守られし小国ビートルはこの世から姿を消した。
 それから千年もの時が過ぎた・・・
 今ではドラゴンを守護神とした国があることを知る者もなく、呪われた王がいた事を知る者もない。

 流浪の剣士アレスは、地中に広がる大穴のそばで彼を追う一人の女性と対峙していた。
 彼女は魔法使いのドーラ。アレスを「師匠のかたき」として追っている女性である。
 その彼女が放った火球の爆発で大穴の近くの地面が崩れ、アレスとドーラは地中に吸い込まれていった・・・

☆マウス対応のアクションRPG

 「ブランディッシュ」の目的は「脱出」、つまり迷宮を生きて突破して脱出する事が最終目的です。もちろん敵もいればトラップもあるし、と迷宮の「お約束」は山盛り。
 操作は全てマウス(移動はキーボートでも出来る)で行うんですが、その為の操作が結構洗練されていてかなり遊びやすいです(ブランディッシュ2以降はもっと操作しやすくなっています)。敵との戦闘もマウスをタイミングよくクリックするだけだし。
 似たシステムのRPGには「ダンジョンマスター」(海外産のリアルタイムRPG。出たのはブランディッシュのかなり前)がありますが、傾向としては結構違いがあります。「ダンジョンマスター」が3Dになっていて、立体的な空間を把握する必要があるのに対し、「ブランディッシュ」は上からの視点とかなり2D的です。だからすぐ慣れやすいと思います(ダンマスは3DのRPGが苦手だと辛いからねぇ・・・)。
 仕掛け(パズル)も「ダンジョンマスター」に比べると、マップ機能を逆に利用した物があったりと、全体的に「ゲームの仕掛けは何でも利用する」という感じです(ちなみに私は「ダンジョンマスター」のパズル的な仕掛けも好きですよ)。

 そして、重要なのは「全てがリアルタイム」だという事。システムメニューと店以外はいつでも時間が流れているし、敵も動いているので変な所でキャンプしたらゲームオーバー画面を見る事になります。これを利用して、エンディングの後ではクリア所要時間が表示されるので、これを利用してタイムアタックも出来ます。・・・もっとも、裏技的な攻略法で信じられないタイムが出てしまうのですが(雑誌で紹介された物で、はっきりとは覚えていませんが確か分単位のタイムだったハズ)。

 視点の違いや、ストーリーの違いなどを除けば「ダンジョンマスター」と共通する要素が多いので、当時は何かと比較されたものでした(ちょうど日本語版「ダンジョンマスター」が出ていたんです)。
 ですが、「ブランディッシュ」と「ダンジョンマスター」は決して同じ味ではありません。この事は視点が違うだけでも結構違う味になるいい見本でしょう。例えば「ゼビウス」と「グラディウス」「スペースハリアー」、「ウィザードリィ」と「ドラクエ」、これらのように「視点」が変わる事でゲームの内容がガラリと変化する例はいくらでもあります。
 問題はその変化した「味」をうまく利用出来るかどうかであり、「ブランディッシュ」はその味付けに成功した一つの例だと思います。
 欠点は・・・マウスの寿命が短くなる事でしょうか(マウス操作リアルタイムゲームの宿命ですな)。

☆息抜きに丁度いい内容

 私にとって「ブランディッシュ」は今でもかなり好きなタイトルの一つですし、もしWindows版が出るとしたら速攻で買いたいほどです。
 というのは、リアルタイムRPGやその他のRPGに比べて、ちょっとした息抜き(とは言っても1〜2時間程度って意味ですが)にはぴったりの内容なんです。

 「ブランディッシュ」は基本的に1種の迷宮ごとに約10階という構成(ダークゾーンなど一部は別)になっていて、それぞれの1階1階が1〜2時間ぐらいでクリア出来るバランスになっているんです。だから1日1、2フロアクリアしたら終わり、という遊び方でいつも楽しんでいるんです。元々こういう遊び方を前提にしているようですし。それでもかなり楽しめる所が好きですね。
 続編の「ブランディッシュ2」「ブランディッシュ3」は実はあまり好きではないのも、この辺りに原因があったりします(簡単に言えば長すぎだとかそういう事です)。

 もう一つ、レベルアップや仕掛けを調べる時の、ケージ(?)が輝く演出が好きなんです。あまり出しゃばらないけど、感覚的にわかりやすい演出(リアルタイムな内容だからいちいち文字を読む訳にはいかないんですよね)なんですが、麻薬的な効果もあったり(演出がうまいんだよなぁ)。

☆ブランディッシュシリーズ

 ブランディッシュシリーズは今のところ、Windowsで「4」が出ている以外は全部PC-98版です。
 個人的には1〜3を移植して欲しいところだけど・・・うーん。

 ブランディッシュ2 ザ・プラネットバスター
 「星をも破壊する剣『プラネットバスター』を背負いし者がこの国を訪れる」
 その予言を受けた某国の王は、プラネットバスターを手中に収めるために、部下を差し向ける。
 その部下の目の前で、砂漠の中で倒れてしまったアレスは牢獄に入れられるが・・・

 ここからストーリーゲームの要素が増えた。
 副題でもある「プラネットバスター」巡って、いろいろな陰謀やらが入り乱れる話。
 個人的にはあまり好きではない(「城(CASTLE)」のマップなんか嫌いだ)。
#仕掛けがそれはもう厳重で、その上マップの数が・・・

 ブランディッシュ3 スピリット・オブ・バルカン
 ドーラの恩師であり、アレスとも関係のある男、そして今は亡き男バルカン。
 その遺志が今、時を超えて再びアレスとドーラを運命に導く・・・

 アレスとドーラの他にも、忍者「シンザ」と女性の拳闘士(名前忘れた)の計4人を選んで遊べるようになっています。話もそれぞれ4人分(でもマップは多くが共通)。
 私はアレスとドーラでしかクリアしてないし、話も覚えていませんが(汗)でも2よりは好き。

 ブランディッシュVT
 ここから視点がさらに斜め横からの視点に変更されました。
 私は未プレイ(まだ買ってないんです)ので何とも言えませんが・・・

 ブランディッシュ4 眠れる神の塔
 「4」とはあるものの、実際には「VT」のWindows移植+アレンジといった内容だそうです。
 これまた未プレイ。

 「VT」「4」をまだ買っていないのはマウスを動かすスペースがあまりないから・・・マウスがある程度動かせないと辛いもの、「ブランディッシュ」シリーズは。

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 ある意味では、「ゲーム」そのものがシステムになっている、または「システム」そのものがゲームになっているとも言えるでしょうね。
 あとマッピングが楽しいゲームの一つでもあります。