サーカスライド

ユニポスト パズルアクション PCE

CIRCUSLIDE

☆幻「だった」PCEソフト

 「サーカスライド」。
 それは、濃いPCEユーザーにとって長らく「幻のゲーム」として記憶されていたタイトルでした。
 何故なら、あまりにも「時代を先取りし過ぎた」書店販売というかなり特殊な販売方法を採用していた為、ひっそりと販売されて、ひっそりと返本されてしまうのが大半であり、しかも雑誌でもあまり記事が出なかった(もしくは、「まったく出なかった」かもしれないが、私はよく知りません)為に、PCEユーザーでも見つけるのがかなり難しいのでした。
 その為に中古ソフト店でも滅多に見かける事がなく(ない方が当たり前という感じ)、プレミア価格もPCEの中でひときわ抜きんでた存在になっていたのですが・・・
 最近、WWWで「新品」が「ほぼ定価」で売られているという情報を聞いて、思わず飛びついたのは言うまでもありません。
 その「サーカスライド」がどういう物か、これから書いてみましょう。

☆固定パズルアクション

 ジャンルとしては、「バブルボブル」のような、固定画面(1画面に全部収まっている)のアクションゲームに、パズルの要素を加えたゲームです。ジャンル的には「ソロモンの鍵」などが同じジャンルですね。
 そして、「サーカスライド」の場合、主人公の行うことのできる動作は、「ツタにつかまる」「敵を飲み込む」「敵を吐き出す」が基本となっています。そうそう、「ジャンプ」という動作はこのゲームにはありません。
 つまり敵を飲み込んで、食虫植物に向かって吐き出して倒して・・・を繰り返してうまく主人公を動かしてやらないといけないのですね。でも敵の中には平気で空中を飛ぶものもいるし、敵の中には近づくのも難しいキャラもいるし、さらには次のステージへの扉を開けるには「画面内の敵を全滅させる」事が条件になっている(一部の面では、一部の敵を倒さなくてもいいようですが)ので、うまく立ち回らないといけません。

 だけど、単純に片っ端から敵を駆除していけばいい訳でもなくて、一部の敵をうまく利用しないと移動出来ないステージはあるし、主人公は飲み込んでいる敵によって特殊能力が変化するからそれを利用しないといけなかったり・・・と、この辺りがパズルになっているのですね。
 例えば、ある面ではドケのついたツタの向こうに敵がいるけど、当然ながらそのままでは行く事が出来ません。でもある種類の敵を飲み込んでいる間はドケを無視出来る・・・という事は、当然その敵を先に駆除してしまうと自爆してしまいます。だから駆除する順番を見つけないと・・・

 そうして敵を全部駆除出来ても、まだそのステージをクリア出来た訳ではありません。ちゃんと主人公を次のステージへの扉に導いてやらないと・・・でもその為には「道」をちゃんと作らないといけない訳で・・・
 とまぁ、このように2種のパズルが入っているような内容ですね。それにアクションゲームとしての要素も入っているので、かなり手強いです(というか、序盤から結構難易度が高い)。

☆ゲーム的には?

 でも、おそらく多くの人の関心はここにかかっていると思いますが・・・
 「サーカスライド」はプレミアソフトの中でも、先に述べた理由の為に情報量がかなり少ない状態です。それはもちろん「見つけにくい」事と、仮に見つかったとしてもかなり高く売られている事が主な理由ですが・・・
 だけど、「見つけにくい」のはわかるにしても、そこまで金を出すほどのゲームなのか?と知りたいのは当然でしょうね。だから今回、「新品がほぼ定価」と聞いて入手したんですが。

 実際の出来はというと・・・「悪くはありません」。が、正直に言えば「定価以上の金を出す気にはならない」というところ。
 というのも、操作性があまり・・・個人的には「辛いほど」良くないと思うのです。
 これは「アクション」の要素が入っているゲームの場合、特に目立つ欠点で、「サーカスライド」の場合は主人公の操作がどうもワンテンポ反応が遅れるような感じなんです。それなのに敵の方は主人公より速く反応するのもいるから、その差が辛い。
 また、普通の動作もちょっと気持ち重めに動いているという感じで、結果としてゲーム全体のテンポが「のろく」感じられるのです。この辺りが足かせになって、ゲームとしての評価が若干落ちている、という。

 それに加えて、画面がちょっと見にくい。というよりブロックの単位がちょっと細かすぎなんです。
 おまけに一部の背景とブロックなどが溶け込んでしまう面もあるので、いまいち画面が把握しにくいんですよ。だから「パズル」とは関係ない部分で悩ませられる事もあるし・・・
 例えばバブルボブル」や「ソロモンの鍵」などは背景が真っ黒になっているけど、その真っ黒の部分に何か絵を入れたらどうなるか?って事。これは「パズル」部分を見る場合かなりマイナスです。

 ただ、逆に言えば、それらを改善出来ればもう少しは楽しめたかも、って事なんですが。
 実際パズルとしては(難易度が高いのを除けば)頭を使わないといけないのは正しい姿ですし。欲を言えば、説明書の説明が少なすぎてその為に難易度がかなり上がっている面が序盤のうちから出てくるのは勘弁して欲しかったけど・・・

 いずれにせよ、WWWで結構な数の「サーカスライド」が新品、それもほぼ定価で購入出来たのはありがたいですね。
 この先もまた入手可能かはまったく不明。というより、この先はさすがに厳しいんじゃないかと思うが・・・まぁ、それでも一時の「10万」などという狂った価格はもう出にくくなるでしょうね。それだけが救いですか。
 ・・・実際、定価以上の値段を出す気にはなりませんが・・・このゲームを実際に遊んでみればわかります。

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 そうそう、主人公はカメレオンみたいなキャラ。ベロを出して敵を飲み込むんだけど・・・
 しかしこのゲーム、全体を通して「かわいい」などといった面が全然ないってのは、アクションパズルの場合珍しいかも(苦笑)というか、全部ゲテ物だし・・・敵も主人公も。