フロム・ダスク・ティル・ドーン3

監督:P.Jピース 脚本:アルバロ・ロドリゲス


FROM DUSK TILL DAWN 3:THE HANGMAN'S DAUGHTER

☆時はメキシコ革命時・・・

 時はメキシコ革命時のアメリカ。
 「悪魔の辞典」で著名な作家アンブローズ・ビアス(ビデオ版の字幕では「アンブロズ・ビアス」)は、ある重要な任務を胸に、メキシコ革命軍と合流すべく旅をしていた。
 その途中で立ち寄った小さな街では、ちょうど盗賊団の首領が捕らえられていて、絞首刑が執行されようとしていた。その絞首刑が始まろうとした時、死刑執行人は群衆の中に一人の娘の姿を見た。それは執行人の娘であった。父である執行人は「何を見ているんだ、家に帰れ」と言うが、娘は「死刑執行を見たいの」と言うことを聞こうとしない。
 怒った父は娘にむち打ちを加えて、無理矢理娘を引き離し、さて死刑執行を再開しようとした時、どこからか銃弾が跳んできて首領の命を救った。そして首領たちも逃げおおせてしまい、執行人たちも後を追うのだった。
 その後も迂曲曲折あって、それぞれ別々の経路を辿って、砂漠の中をさまよっていた。そうして、彼らは偶然のもと、ある一軒の酒場を見つけたのだが・・・
 その酒場の前には、神への冒涜の言葉が書かれているのだった。

☆伏線があるのかないのか(苦笑)

 とまあ、このように前半はそれぞれの登場人物たちが入り乱れているのですが、やがて少しずつ整理されてきて、最後にはみんな砂漠の中の酒場へ辿り着きます。ここまでの展開はちょっとわかりにくいかも。見ている方としては「うまくやってるな」って感じなんですが、実際には何も考えてなさそうです(苦笑)
 もちろん、本題は酒場に入ってからなんだけど・・・こちらはネタばらしをしていいものかどうか悩むところです。ただ、最後の方になって、ようやく原題のサブタイトルの意味(ちなみに直訳すると・・・)がわかる辺りはうまいと思います。
 ・・・そこまでの伏線が「あるんだかないんだか」というのが苦笑ものなのですがね(苦笑)まあ、一応筋は通ってますよ。

 でも、やっぱり見所は、吸血鬼たちとの戦闘でしょうね。
 このシリーズは、実は「3」が初見なんですが、ここで出てくる「吸血鬼」というのは、古典的なイメージからは離れていて、どちらかというと「吸血」する「化け物」に「ゾンビ」の要素を加えた物、なのかな・・・?おなじみの「十字架」の話はほとんど出てこないし。
 そういう訳で、銃弾はほとんど効かないし、吸血鬼はなかなか死なないし、一部はもはや人間の姿を無くしているし、と見応えがありすぎ。さてこのサバイバル戦の結果は?

 そして、最後の最後になって、アンブローズ・ビアスが・・・(・・・こんなんアリか?おい)
 ともかく、「まっとうな話」を期待するだけ無駄でしょうね・・・というか、前作を見ている人にはそのような事は「とっくに知ってるよ」だと思います(笑)
 また、「フロム〜」シリーズの流れとしては、一番最初の話となっているので、いきなりこの「3」から見ても問題ないでしょう(私がそうだし)。
 現在はDVDでシリーズ全作が見られますので、DVD版を探すのがお奨めです。

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 余談。ちなみにアンブローズ・ビアスの作品では、「カルコサの住民」がお気に入り。
 というか、元々これを見ようと思ったのが「もしかしてこのビアス?」と思ったんだけどね。
 どうもアメリカでは「説明不要の有名人」みたいな位置づけにあるようです >ビアス
 日本だと、「悪魔の辞典」以外の翻訳はちょっと入手しにくいのが残念。強いて言えば「カルコサの住民」収録の「クトゥルー 3」は手に入りやすいですが。って映画の話じゃないや(苦笑)

 シリーズのDVDは、1のみCDケースサイズ、残りは一般的なDVDケースサイズなので、まとめて探しにくいかも。私もてっきり統一サイズとばかり思っていたんで・・・


うしとら
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