魔性の貌

ミンク AVG PC-98/Win


☆インモラルな物語

 「魔性の貌」の主人公は、普通の高校生。
 彼が小さい頃に母が亡くなった為に、父は今の義母と再婚したので、母と妹とは血がつながっていない。しかしその父も亡くなった為に、母と妹と暮らしているが、別段その事を特別とは思わず、普通の家族として暮らしていた。
 そのようにして普通の生活を送っていたが、ある日麗華が主人公の家に来て、家族として暮らす事になった。
 というのも、彼女の両親が亡くなってしまって、彼女の両親とは姉妹だった義母がひきとる事にしたのだった。
 しかし、麗華はどこかが妖しい感じで、謎の多い女性だった。

 その日から、主人公の回りで何かが変わっていった・・・

 こんな感じで始まります。そしてメインになるのは当然主人公の回りにいる女性たち。
 つまり謎の女性、麗華を始めとして義母、義妹、そしてクラスメイトでかつ主人公の憧れ(?)の人をめぐって物語が進みます。中でも「義母」「義妹」は血がつながっていないとは言え、法的には「家族」な訳でインモラルな雰囲気になっています。
 そして、主人公を時にはからかうように、時には主人公を誘うようにと、どこか捕らえ所のない行動をする麗華の目的とは・・・?

☆扱いに困るシステム

 このように、話の流れとCGはどっちもうまくマッチしていて、妖しい雰囲気になっているんですが、システム面で少々「うーん・・・」って部分がある為、少々シラケるところがあるのが残念です。
 例えば、このゲームにはメッセージスキップがありません。確かにメッセージスキップは必須ではないにしても、あった方が繰り返しプレイする時にはありがたいんですが。
 特にこの「魔性の貌」の場合、最初から始める時にオープニングが飛ばせない、エンディングに入っても飛ばせない、なので繰り返して別のエンディングを見ようという時には結構ストレスが溜まります。
 というのも、このゲームはマルチエンディングになっています。だから繰り返して遊ぼうという時には、「もう見たシーンは飛ばしたい」というのが人情でしょう(特にOPは数回見るってのは・・・長いし)。この辺りはもう少し考えて欲しかったなぁ。

 他にも、システムメニュー(セーブ・ロードなど)を出せる時が「何かの文章を出している時」だけで、コマンド選択の時ではないというのがちょっと・・・好みの問題でしょうが、「セーブ・ロード」はある程度の区切りを付けたい時に使うのが多いので、「このコマンドを試すとどうなるかな?」という時にセーブ出来ないのはちょっと辛いです。あくまで好みの問題ですが。

 んで、個人的にはこれが一番問題なんですが・・・このゲームにもいわゆる「CGモード」があります。
 しかし、これがクセモノで。CGモードが使うデータは「セーブデータ」なんです。こう書くとピンと来る人もいるかと思います。そう、セーブデータに保存されている行動で見たCGしか見られないんです。それなら他のセーブデータを使えば・・・といっても、セーブできる場所が6つぐらいしかありません。普通、遊ぶのに使うのは1、2つとしてもCGモード用に1つ2つ空けておかないといけないというのはちょっとキツイです。マルチエンディングだから余計・・・
 蛇足ながら、「背景」がCGモードで出てくるというのも「なんかなぁ・・・」って感じなのですが。
 結局、ある程度クリアしたら、後はセーブデータを改造して「全部のCGを見られる」ようにしてしまうか、すっぱりアンインストールしてしまうかのどっちかに分かれてしまうような・・・この辺も惜しいです。

 CGと話の流れは割といい感じだと思った(一部のシナリオ除く)んで、こういう部分でプレイする気を削がれるのがちょっと残念でしたね。
 あとは「エンディングの多くが暗い」ぐらいかな。変に明るいエンディングにしなかったのはいいと思います(いきなり変に明るくなられても「え?」になっちゃいますしねぇ)。でも、せめて「○○が死ぬ」エンディング(○○はエンディングによって変化します)がが多いのは勘弁して欲しかったですけど・・・(特に義妹の死にパターン)。

 結構不満を書きましたが、CGと話の流れは割と好き(あくまで「割と」であって、インモラル物はあんましやりたくないけど(苦笑))なんで、システム面を改良してくれればいいなぁ。

☆一応つっこみ

 ちなみにこのゲーム、実は主人公に対してはつっこみどころ山盛りです(苦笑)
 義妹に対しては「いけない、いけない。妹にこんな感情を抱いちゃいけない」と散々苦悩するんですが、クラスメイトの「ある物」を入手した時はいきなり変態的な事をしてるし・・・(苦笑)
 こういった感じで、「おめーが言うなよ・・・」「おめーさっきまでやってたのは何だよ?」「おめーさっきまで悩んでたくせに」等々、それはもうつっこみどころ山盛りで、ええ。
 んで、最初から最後までを通して言いたいこと。

 「てめー少しは自分の意志で動けっつーの!」
 (結局ほとんどのところで麗華の思い通りになってんだもん、主人公ってば・・・)

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 にしても、エンディング一体いくつあるんですか・・・?最初に見たのが「25章」でびっくりしたんですが。