Kanon

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Kanon

☆”思い出”に還る物語

 数年ぶりに帰ってきた街で、
 雪が降るこの街で、
 白く霞むこの街で、
 ひとりの少女と出会った。

 7年の空白。
 思い出すことのできない最後の日の記憶。
 ひとりの少女と出会うことで、
 記憶が少しずつよみがえってくる。
 しんしんと降っては積もる雪のように・・・

☆はじめに

 この話は「Kanon」発売の前からネット上で流れていて、なかば周知の事実となっている事もあり、もう知っている人も多いと思いますが一応書いておきます。
 「Kanon」を出したkeyは、ブランド名です。
 そして、「Kanon」を作ったスタッフは「ONE 〜輝く季節へ〜」のスタッフです。
 という事で、何かと「ONE」と比較される事が多いですが、ここでは特に比較するという事はしません。比較したほうが説明しやすいところは別ですが。

 また、本当は18禁ゲームなのですが、内容的にほとんど一般作品としか思えないというのもあり、ここでは敢えて「普通のゲーム」として扱っています。
 その辺りはご了承ください。
 それでは、始めましょうか。

☆楽しい「日常」

 「Kanon」でテーマになっているのは、「過去」、そして「思い出」。
 主人公は7年ぶりに、雪の降るこの街に戻ってきました。
 そして久しぶりに従妹の名雪に会います。
 そこで主人公ははじめて気付きます。
 「7年前の記憶がない」という事に・・・

 という事で、基本的には「過去」「思い出」を取り戻すのが話の「肝」になっているのですが、その辺はさすがにネタバレになるので書きません。というか、本当は「Kanon」って基本的に「何の予備知識もない状態」が一番楽しめるんですよね。
 という訳で、出来れば自分でプレイしてみてください。

 とりあえず・・・「ONE」でも楽しかった「日常」の描写は、さらに楽しく、テンポもかなりよくなっています。主人公の行動は「ONE」より普通になったけど(苦笑)「ONE」で感じた欠点のうちの、「学校の描写が少しかったるい」という不満も、「Kanon」ではうまく解消させられていて、より「物語を楽しむ」「物語に没頭させる」事に成功しています。
 また、演出もより「わかりやすく」、しかし「謎も適度に残してある」というように、うまくバランスがとられています。
 この辺りは見事ですね。おかげで物語への没入感がさらに深くなっています。

 選択肢もかなり素直になっているし、基本的に「この娘のエンディングが見たい」と思ったらその娘一人に集中してプレイすれば、簡単に見られると思います。
 あとAVGによくある「読んだメッセージはスキップ」の機能もあるし、かなりプレイしやすくなっています。この機能があるのとないとでは結構違うしね。

☆謎がいっぱい

 先ほど「謎も適度に残してある」と書きました。
 そう、「Kanon」には結構多くの謎が残されています。そして、いくつかは全キャラクリアしても、謎の答えは用意されていません。
 つまりある程度は想像の余地がある訳ですが、そのおかげで「物語」への感情移入がしやすくなっているように思います。
 例えば、某キャラでのエンディングで、あのようになれたのはなんで?とか。もちろん直接的な答えはありませんが、別のキャラの話で出ている「ある事」が間接的に関係している、と考えることは出来るんですね。
 もちろん本当に関係しているのかどうかは物語の中ではまったく語られる事はありません。
 だけど、「(真相が)語られる事がない」=「理不尽だ」ではなく、「もしかしたら、こうこうなのかも」と想像出来る・・・という意味では、「Kanon」はうまくバランスがとれているんです。

 また、物語に直接関係はしないものの、やはりゲーム中では答えの用意されていない「謎」がいくつかあります。これらは、どっちかといえば「キャラのイメージを増幅」させるための「謎」だと思いますが、その答えを考えるのも楽しいです。

☆セリフもまた楽し

 「Kanon」に出てくるキャラのセリフがまた、楽しいんですよね。
 独特の口調が多いんですが、それが実にキャラにぴったりなんです。
 例えば・・・

 「うぐぅ」
 「らっきょも好きだもん」
 「冗談ですよ」

 とか。何の事かは実際にプレイして確かめてください。
 私も雑誌に載っていた「らっきょも好きだもん」のセリフの意味が知りたくて買ったようなモンですし(苦笑)

☆起伏のうまいシナリオ

 にしても、久しぶりに起伏のうまいシナリオを見た気がします。
 明るいところは明るく、だけど一転して今度は不安にさせて、でもどことなく希望もある・・・そういうシナリオが多いんですが、この起伏がうまくて。
 実際、プレイしていて「なんとなく先が読める」んです。だけど一方では「まさか、XXなんて事にはならないよな」という不安もうまく混ぜてあるんです。だからプレイヤーはうまい具合に「ダマされ」てしまう、と。多分「先が読める」というよりは、「わざと先を読ませている」んだと思いますが、それにしてもうまい具合に出来ているなぁ。
 もちろんつっこみどころもいくつかはあるんですが、それは(いい意味での)「ファンタジー」だからという事で。実際、いちいちつっこんでたら楽しめない内容だし。
 数々の演出も手伝って、見事に「Kanon」独自の世界をうまく作り出している、という点ではさすがだと思います。

 もう一つ、「Kanon」は最近のゲームにしては珍しく、いわゆる「萌え」を楽しむというよりは「物語の先が見たい」という気持ちでプレイする事が出来ました。
 というのも、このゲームでは「恋愛」「萌え」などの要素があまりないように感じられるんですね、この手のゲームでは珍しい事ですが。実際クリアした時には「みんな幸せになれてよかった」って思いの方が強かったですし。
 だから、他のゲームでは邪魔なだけに感じる事の多いバッドエンドも、「Kanon」では重要な要素として出ています。一部のキャラでの話ですが。
 だから「Kanon」だけは、攻略本などでクリアするよりも、自力でクリアした方が確実に楽しめるし、バッドエンドも本当は見た方がいい・・・そういう意味でも珍しいゲームですね。

 ただ、一つ注意があるとすれば・・・
 「あゆ」シナリオだけは、一番最後に回しておいた方が得策でしょうね。なぜかは敢えて書きませんが、実際にプレイすれば「なるほど」と思って頂けると思います。
 他のシナリオの前に「あゆ」シナリオをやるとちょっと・・・(汗)

 ついでに、「名雪」「あゆ」シナリオをプレイする時は、日付が変わる時の演出は飛ばさない方がいいです。この演出も、結構シナリオと関係がありますので・・・

 あとついでに。舞シナリオをクリアしたら、もう一回舞シナリオに入ってみましょう(ニヤリ)

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 しかし久しぶりに心の琴線の大バーゲンだったなぁ・・・
 今度の冬にまたやろうっと。
 ちなみにHシーンは期待しないように。少年(少女)マンガ程度のモンです。

 追加:現在では全年齢版も出ています。
 こちらはHシーン削除の代わりにCG補完がされています。このCG補完が見事なので18禁版をやった人でもまた泣けます。特に真琴シナリオ(あれは反則だよー、泣いちゃうじゃないか)
 これからやる人はこっち(全年齢版)の方がお薦め。
 あとDCにも移植される事が発表されました。