メタルギアソリッド3
スネークイーター

コナミ PS2 アクション


METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER

☆冷戦下の米ソ時代

 今回の「メタルギアソリッド3」は、これまでの「〜ソリッド」シリーズとは違い、主人公がソリッド・スネークではなくネイキッド・スネーク……後の「ビッグ・ボス(BIG BOSS)」となっています。また時代設定もこれまでの「メタルギア」シリーズ(MSX版)よりもさらに過去で、冷戦下の米ソ時代となっています。
 このように舞台設定や時代背景がさらに「過去」に設定された事で、ゲームとしての変化も出てくる訳ですが、さてどのように変化したでしょうか。

☆「見る」が最大の行為

 今までの「〜ソリッド」シリーズでは、敵に見つからないようにする事が基本でした。それを補助する為にレーダーもゲームのシステムに組み込まれていて、「敵の視線」もそのレーダーに映るようになっていたので、基本的には画面上からの情報よりもレーダーからの情報を頼りにする感じになっていました。
 しかし今回は、そのレーダーがまだ開発されていない時代になった為、当然の事ながらそこまで便利なレーダーは登場しません。そこで重要になってくるのは、「画面上から受け取れる情報」になる訳です。
 実はこれが今回一番パワーアップした部分で、例えば「〜ソリッド」シリーズの1と2では、どちらも「建物の中」がメインという事もあり、「環境の変化」という要素はほとんど無かった訳ですね。ところが今回は野外が舞台になります。野外という事は、敵はもちろんですが、それだけでなく様々な生物、つまり鳥やネズミはもちろん、ヘビやワニなど様々なものがいる訳ですが、それらも行動しています。行動するという事は、そいつがいる場所に「影響」を与えている訳です。例えば草木が茂っている所を小動物が行動している時には草が揺れる、川をワニが移動しれば波がたつ。こういう変化はもちろん、スネークの行動によっても発生します。
 ここで重要なのは、そういった環境の描写がこれまでのシリーズよりもさらに細かくなった事で、その結果「実はレーダーがなくても遊べる」ようになっているという事なのです。つまり今回は、スネークの視点やゲーム上での画面から得られる情報をプレイヤーが注意深く見ていけばいいようになっているのです。
 この事は、もちろん敵にも言える事であり、今回の敵は種類によっては非常にめざとい者もいたりします。この為最初のプレイでは「なんでもう見つかったんだ!」と思ってしまう展開が多くなりますが(苦笑)、これはゲームを何周かしているうちに敵の配置がわかってくれば充分対応出来る部分です。逆に言えば、それまでは旧作に比べて大変なのは事実ですが……。でもこの辺はうまく配慮されている方なので、上手い人のプレイを見ると「ああなるほど」と思うように出来ています。

 もちろん、「敵が環境を見る」という要素はこれまでのシリーズにもちゃんとありましたので念の為。ただ、それに対する反応がこれまでより強化されているという事なのです。逆に言えば、敵をおびき寄せる方法もいろいろ増えてるという事ですが。

 もちろん、スネークの方もこれまでそのままではなく、今回はCQCによる行動の操作が加わっています。
 これまでのスネークでも「敵を投げる」「敵を捕まえる」という行動は出来ましたが、3ではCQCにまとめられています(つまりこれまでの行動に加えて、行動の選択肢が増えている)。これは最初はわかりにくいのですが、慣れてくると「敵を捕まえる」→「移動」だけでなく「敵を捕まえる」→「敵を地面に叩きつける」→「ホールドアップ」などの行動も出来るようになります。そう、今回は敵を無力化する方法(選択肢)が増えている訳です。
 これはシリーズを通して遊んでいないとわかりにくいのですが、特にMGS1では敵の無力化の選択肢が意外と少ないのですね(だから3をやった後に旧作、特に1をやると結構「ああ、あれでコレが出来たら!」と思う場面が出てくる)。もっとも、これはシリーズを通して遊んでないとわかりませんが。(でもまあ、普通は旧作から遊ぶだろうからあまり問題にならないと思うけど)

☆やり込み要素多すぎ(笑)

 また今作では、いつもよりやり込み要素が非常に多いのも特徴でしょう。
 特に今回から加わった「カモフラージュ率」の要素絡みで、当然ながら隠しカモフラージュもいろいろあったりするし、組み合わせも様々です。また隠しカモフラージュは特殊効果もあるなど集めたくなる要素になっています。ちなみに普通に遊ぶ場合でも、カモフラージュ率はある程度考えにいれて行動する必要がありますので念の為(すぐに見つかってしまうような格好で動き回るのは流石に、ね……)。
 捕獲できる小動物も種類が豊富で、なかなか見つけにくい物もいたりするし、食べ物に関するネタはかなり豊富に用意されています。他にも、MGS2にもあった「ケロタン」というお遊び要素(全部見つけて全部狙撃すると……)もあるし……と、今作は本筋以外の遊び要素がたっぷりになっています。
 またアイテムもいろいろ増えてるのですが、それらも意外な使い道があったりするし。

 さらに、今回はマップのルートも非常に細かくなっているので、他の人のプレイを見ると「えーそこに通路があったのか!」などというような通常はわからないようなルートもあったりしますし(ただし、これを見つけるのは結構大変)、遊べば遊ぶほどどんどんおもしろくなってくる内容になっています。

 ……その為私はクリアして数周したら速攻で封印したんですけどね(苦笑)本当に噛めば噛むほど味の出てくるスルメみたいな内容になってますから。

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 ちなみに今作の物語はやや少し特殊ではあるものの、MGS2みたいに「話が飛ぶ」ような場面はないので基本的にはわかりやすい……はず。特殊なネタは若干微妙な気もするが。
 あと今作は本当に「いろいろ」出来てしまうので、本編そっちのけでもかなり楽しめるのがいいなあ。レポート中でも書いたけど、食べ物ネタは笑えるのが多かったりするし。
 これから遊ぶなら、MSX2版「メタルギア」「メタルギア2」復刻版(正確にはどちらもアレンジ版相当だが)が収録されている「サブシスタンス」などの方を選んだ方がいいでしょうね。
 あとケロタンを全部狙撃した時のボーナスは、ノーアラートでも手に入るしそっちの方が簡単だそうです(苦笑)


うしとら
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