R・TYPEデルタ

アイレムソフトウェアエンジニアリング
横STG PS


R-TYPE DELTA

☆復活したアイレム

 アイレム、といえば古くからのアーケードゲームを知っている人にはかなり馴染みのあるメーカーです。というのも、かつてSTGで名を馳せたメーカーだからです。
 コナミの「グラディウス」、アイレムの「R・TYPE」。この2本はほぼ同じ頃に出て、それぞれ異なる表現の「宇宙」を見せてくれたゲームでした。さらにアイレムは翌年に「ゲーマーへの挑戦状」とも言うべき「イメージファイト」を出し、その実力を見せつけました。
 他にも忍者を主人公とし、緻密なグラフィックで見事な世界観を表現した「最後の忍道」など、ちにかく緻密なCGとかなりパターン性の強いゲーム内容がアイレムの出すゲームに共通する特徴です。その為、かなり難易度が高いといえば高いのですが、それだけにパターンが見えてくる「学習」の楽しみを味わせてくれました。もっとも、一時は「こんなんありかぁ?」って叫びたくなるような高難易度を超えて「鬼」なゲームも出していましたが(この頃はどこもやたら難しくする傾向にあった)。
 しかし、そのアイレムは突然アーケード、コンシューマからも消えてしまいました。

 有名な話ですが、アイレムはナナオ(そう、ディスプレイのナナオです)の関連会社(確か子会社)なのですが、ナナオに吸収された時にスタッフが一斉に抜けてしまい、「もうアイレムのゲームは出ないのか・・・」と失望したゲーマーも少なくなかったのです。私もその一人でした。
 しかしアイレムは「アイレムソフトウェアエンジニアリング」という名前で復活しました。
 しかも、久しぶりの「R・TYPE△(デルタ)」というタイトルを引っ提げて・・・!

☆やはり「R・TYPE」

 まぁ、細かく言えば実際には先にPSで「R・TYPES」(「R・TYPE」の1と2のパック)を出して、その中で「R・TYPE△を出す」と言っていたのですね。
 そして出た「R・TYPE△」は、ポリゴンSTGになっていてもやはり「R・TYPE」でした。

 というのも、「R・TYPE」シリーズには、共通する要素がかなりあるんです。
 例えば見た目で言えば「生物感のあるステージ」「襲いかかる異形」「画面に収まらないほど巨大な敵」「無敵のフォース」などなど・・・そして、細かい部分では、「隙間を見つけるSTG」だということです。
 「隙間を見つける」というのは、例えば自機が弾を撃ちますよね。その弾が通れる所は自機も通れるんです。そして、地形に合わせて動くには弾で「当たるか当たらないか」の判断も重要になります。他にも「移動する物体と移動する物体との間に出来る隙間」など。こういった空間を素早く把握して、適切に移動する事がかなり重要になっているステージが結構あるのです。
 その為、パターン性がかなり強いんですが、逆にパターンがわかれば後はとても簡単になるステージも多いのです(R・TYPE2は別。あれはサギ。)

☆地形を味方につけろ!

 そういったシリーズ共通の「お約束」はもちろん「R・TYPE△」でも健在なんですが、実は今回は一つの、しかしゲーム内容にかなり影響を与える変更点があります。
 今回は地形に当たっても死にません。実は「R・TYPE」シリーズで一番多い死に方は「地形に激突して死亡」なんですが、今回は地形に当たっても死なないおかげでかなり遊びやすくなりました。これは「地形もポリゴンになってる」為に形が一定していない(スクロールに合わせて視点が変化しているような感じになる。例えば箱を左斜め→正面→右斜めと見ていく変化)からだと思いますが、だからと言ってゲーム自体はやっぱりいきなり解けたりはしません(笑)当たり前だけどそこまでは甘くないです。
 この変更のおかげで、地形を味方にしやすくなりました。もっとも移動する地形はさすがにダメだけど。でもこの変更がなかったらとてもじゃないが遊んでいられないと思うので、この変更は良かったですね。

☆3種の自機

 今回は、前作からの「R9」(正確には「R9a Delta」。R9の改良機のようなもの)の他にも、分離時に敵をサーチして移動・攻撃する「テンタクル・フォース」を操る「RX」、発射すると敵に食い込み敵を破壊する「アンカーフォース」を操る「R13」の3種あり、それぞれ武装もまったく異なっています。
 この為、選択した自機によっては攻略の方法も結構変わってきます。例えば「R13」なら基本的にフォースによる破壊を中心に、「R9」ならレーザーと波動砲の使い分け、といったように。
 さらにエンディングもそれぞれ異なるので攻略の楽しみも結構あると思います。
 ただ、最初にR13でやりまくると他の機体ではいまいちというか・・・。R13が強すぎなんだけど(アンカーフォース、強いんだもん)。

 また、プレイすればプレイするほど「おまけ」も増えるようになっているので、ハマればハマるほど楽しめるでしょうね。
 ハイスコアの為の「稼ぎ」もかなり熱いし(稼げるけど死にやすい所がかなりある)。この辺、さすが職人の技ですね。
 そして、最終面近くでの演出はびっくりします。ネタバレになるので書きませんが、はじめて見た時は身体が震えました。

 とりあえず私は楽しめました。ただ、難を言えばスタートしてから実際に1面が始まるまでが冗長だと思います(スキップ出来ないし)。あの演出の間にデータを裏読みしているのはわかるんですけど、何回も見たくはない(特に自機選択画面での演出)。それ以外では特に不満はないです(時々理不尽な弾があるけどまぁいいや)。

メニューへ戻る


 ちなみにアイレムのサイトには「R・TYPE」のページもあります。
 裏技情報なども載っているので、どうしてもクリア出来ない人は見てみるのもいいでしょう。
 あと蛇足ながら。本当は「デルタ」は「凵vなんだけど、これは機種依存文字のはずで多分Windows以外の環境では読めないと思います。その為敢えて「△」で代用しています。ご了承ください。