「太正」という時代。それは新しいモノと古いモノが同居していた時代。汽車が出たり、「ハイカラ」などの流行があったりする時代。その「太正」をモデルにして、「サクラ大戦」は展開する。
いやぁ、楽しかったですよ。いろんな要素・・・例えばキャラデザは「ああっ女神さまっ」の藤島さんとか、そういう要素を入れていながらちゃんとまとまっているのは凄いと思いますし。ただ、ジャンル分類で悩むゲームであるのも確かですが（苦笑）。
少なくとも「いい仕事」であるのは本当なんだし、ＳＳを持っているならば一回はやってみるといいでしょう。
で、サタマガでの読者レースで何度か１位を取ったり、ＣＥＳＡ大賞を授賞したりと話題の多かった「サクラ大戦」ですが、それに見合う作品でしょうか？答えは各自に任せます。個人的には「実際おもしろかったんだし、いいんじゃないの？」ですが。ＣＥＳＡ大賞は・・・ノーコメント（苦笑）。でも他に大賞に見合う作品あったかな？という点では正解ではないでしょうか。
で、よく言われる事ですが、欠点も無い訳じゃないです。しかし、この欠点は全体から見れば些細な物だし、個人差もあるので「絶対ダメ」って程じゃないです。
１．ＳＬＧ部分はかなりヌルい
２．全体のテンポが少しトロい
とはいえ、ＳＬＧ部分は「誰でも遊べる」事を前提としたそうなので、文句はないです（難しいのをやりたければ「大戦略」などをやればいいのだし）。確かにＳＬＧ部分をクリアできないと楽しめないのは嫌ですしね。この辺りは「サクラ大戦２」でうまくやってくれるのを期待しておきましょう。
で、全体のテンポのトロさは、結構問題かな。私なんか夜にやることが多かったから、「サクラ大戦」が催眠術みたいで（苦笑）。全体がゆっくりと切り替わるから、眠くなるんだよね。切り替えのテンポを変更できるとよかったかな？
んで、シナリオ的には「戦隊物」のような物ですが、どっちかというと「セーラームーン」などのように始めの数回は登場人物紹介になってます。この方が感情移入しやすいのでいいんじゃないでしょうか（始めから全員いるとやりにくいからなぁ）。特に紅蘭の登場の回はしょっぱなからアレですから楽しかったです（笑）。
んで、全員集まったところで一転して、「敵」ＶＳ「花組」というお決まりの構図・・・パターンと言えばパターンですが、結構面白いです。この辺りはあかほりさとるさんのシナリオのいい所ですね（あかほりさんはパターンの使い方がうまいと思う）。一番燃えたのはマリアでしょうか。マリアの過去を利用してマリアの逆鱗に触れてしまった敵との戦いで、マリアが「私はっ！お前を許しはしないっ！」とか「必ず！地獄に落とす！」とかもうやかましいやかましい（苦笑）。でもここが一番燃えたな。（しかし、結局マリアの口数が多いのって、ここだけ・・・ちぇっ）
また、敵を撃退した後に「勝利のポーズ・・・きめっ！」も見てる方が恥ずかしくっていい感じです（苦笑）。ここまでやってくれるともう・・・
まぁ、最終話は・・・もうあちこちでも書かれているけど、なんであんなに大風呂敷を広げる必要があったのかなぁ。別に「セーラームーン」や「聖闘士星矢」に似てるとかはいいんですけど、西洋の神と悪魔を出すなよ・・・これは「日本」の話でしょ？なんで最後になって西洋の物になるわけ？これさえなければ「サクラ大戦」はもっと楽しめたと思うんだけどね。
でも、それさえ除けば確実に楽しめるシナリオになってます。個人的にはマリアの話が結構好きです。（キャラ的にはさくらなんだけど、さくらの話はちと・・・）
ＬＩＰＳは実際には「サクラ大戦」が最初じゃないです。ＰＣ−９８の「学園ソドム」「チェリージャム」でも「時間制限付きの選択肢」がシステムになってます。では、「サクラ大戦」での特徴とは？
これが結構微妙な問題で。確かに全体としてはかなりの変化はないんだけど、それでも悪い印象を与える選択肢ばかり選ぶとＳＬＧパートでつらくなるようにはなってるみたいですね。でも時間制限があまり有効に使われてないな、と思ったけど「サクラ大戦２」ではかなり改良されているようですね。「２」での改良に免じて不問にしましょうか。
でも選択肢で変化するキャラの表情は結構グッときます。とくに「ジト目」はかなりグザグザァッときます。「すまん、悪かった、オレが悪かった−−−−っ！」って思わず思ってしまう程（本当だってば）。この「選択肢」と「表情の変化」のコンビはかなり見事です。
しかし、本当に「いい仕事」してます。ＯＰデモは２種ちゃんとあるし、全体的にまとまってるし、操作にもクセはないし・・・とこれだけの事をやっているソフトが認められるのもわかると思うんですけどね。
ただボリュームに少々不満がないわけでもないが、これはあくまで「人物紹介」がメインになっているからだと思うので、その辺りは「２」に期待しましょう。実際ＣＤ２枚組みに見合うだけのボリュームはしっかりあったし。
あちこちにサブゲームを置いて息抜きさせてくれるし、結構細かい所にも気を配っているところもいいですね。こういう「いい仕事」をしている作品がもっと増えるとうれしいんだけどね。
でも、実は本編そっちのけで何回もやりまくったのが・・・もうおわかりでしょう。そう、「こいこい大戦」！！
ちっくしょおぉぉぉぉぉぉぉ殺女めぇぇぇぇぇぇ！！
これほどサブゲームの方が熱いゲームもそうはないよなぁ・・・
余談ですが、インチキはしていないそうです。だから純粋に運まかせですね、ＶＳ殺女は。・・・手加減してくれ・・・（号泣）