ティル・ナ・ノーグ

システムソフト RPG PC-98/88/MSX2


Til-nan-og

☆ここは不思議な世界

 今までにRPGは様々なスタイルが出ています。そして代表的なスタイルは「ウィザードリィ」「ウルティマ」「ローグ」から出発して、今日では「イース」「ルナティックドーン」など様々に発展していきました。
 しかしそれらの多くは大きな目で見ると一本道な物が大半です。それに対して「ローグ」「ルナティックドーン」のようにマップ、シナリオを自動で作成して、スタートからエンディングまでの道のりが一定でないRPGもあります。
 しかし、その流れの中で出現して、今日までに他の作品に取り込まれる事のなかった流れがあります。
 それがこれから話す「ティル・ナ・ノーグ」なのです。

☆シナリオはほぼ無限

 「ティル・ナ・ノーグ」は、PC-98のわりと初期の頃に出たゲームです。その当時は、ゲームはPC-88で出るのが当たり前といった時代でした。しかしその内容は、確かにPC-88では出すのが難しかっただろうなというものでした。
 というのは、「ジェレネーション・システム」だったと思いますが・・・まず、最初に任意の10桁の数字を入力すると、マップやキャラクタを作成し、シナリオまで作ってしまう・・・というものです。しかもこの時に入力した数字(コード)は再現性がある−つまり同じコードを使って早解き勝負なんてのも出来たりします。もちろん気に入ったシナリオ展開があったら、そのコードをメモしておけばまたそのシナリオ展開を楽しめる、という感じ。
 そして、この数字の桁が10桁という事で、実際にプレイするにあたっては、ほぼ無限のシナリオを持っているようなものになっています(まさか10億ものコードを全部プレイするわけにはいかないけどね)。まぁ、実際にはデータ数の関係上、多くのコードでシナリオが似てしまうのは仕方のない事でしょうね。それでなくても昔の技術で作られている以上仕方のない事ですし。
 ただ、実際プレイしていて意外性のある展開も結構多くなっていました。

 例えば、プレイしていて本当にギャグとしか思えないシナリオが出来てしまう事もあるし、かといえば結構シリアスなシナリオが見られる事もあるし、ある時には「どないせっちゅーんじゃ!!」といった鬼のようなシナリオ(そうそうないけど)もあったり。
 例を挙げるなら、最初にお城に行ったとします。するとお姫さまがさらわれてしまった、という話が。それじゃ私が助けましょう、という事で途中は飛ばしてお姫さまを助けました。すると「私も怪物退治をするわ」と言いだして結局エンディングの後もお城には戻らないままでしたとさ、といった話も出てくる訳です(あくまで一例で、実際のゲームで出るかは知らない・・・というか忘れた)。
 しかもキャラクタも本当に様々で、勝手にパーティに入る人もいれば勝手にパーティを離れる人もいるし、妖精も出てくるし、勝手に金を盗んで出ていく人もいるし、で本当に個性があるというか何というか・・・

 マップにしても、あるマップは普通のマップ(いわゆる「普通のバランス」)だけど、あるマップだといきなりすぐ近くの洞窟がラスボスのいる洞窟だったり(私はこういう目に合った事はないけど、そういう事もあるんだそうな)、と実際にやってみないとわからない事が多いのですね。

 だけど、そのせいで遊びにくいってことはあまりないんですよね。もっとも戦闘はちょっと辛い(結構長引きやすい)けど、それ以外はそんなに難しくないし。
 その代わり、攻略本がないとRPGがクリア出来ない、って人には向かないでしょうけど・・・でも一応、ゲームオーバーもシナリオの展開の1つだって思えるなら遊んでもいいのではないかと思います。元々TRPGみたいなところがあるゲームですし。

 ただ、その特異性の為か、「コードを元にしてシナリオ・マップを作成する」という特徴は他のゲームに使われる事は全くといっていいほどありませんでした(SLGではあったかもしれないが、私はSLGはあまりよく知らないので・・・)。

☆ティル・ナ・ノーグ

 最初はPC-98版だけでしたが、その後数年(本当に結構長かった)経過して、ようやくPC-88版、MSX2版も出ました。しかしそれ以降は全然音沙汰がないのが少々淋しかったですね。システムソフトは「ブルトン・レイ」なども出しているけど、これらは「ティル・ナ・ノーグ」とは明らかに趣を異にする物でしたし(シナリオを作成するという要素がない)。
 でも、ようやくWindows版でのリメイクの発表があったので楽しみにしています。

 それと、書き忘れましたが・・・「ティル・ナ・ノーグ」、つまり「Til-nan-og」はケルト神話の言葉で、「妖精の国」、または「どこにもない国」という意味らしいです(よくは知らないのですが)。
 そう、実は「ティル・ナ・ノーグ」の世界観や、妖精の存在などはケルト神話を元にしているのだそうで・・・もし、「ティル・ナ・ノーグ」に興味を持ったのならばケルト神話や妖精物語の書籍を読んでみるのもいいかもしれません。

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 Windows版に関しては、システムソフトに出来た「ティル・ナ・ノーグ」のページをご覧ください。
 とりあえず私は購入確定。