To Heart

Leaf(アクアプラス) AVG Win/PS


To Heart

☆高校2回目の春

 春。
 また春風の吹く季節がやってきた。
 新しい季節。高校に入って2回目の春。
 学校に行く間、隣では幼なじみのあかりがいつものように笑っている。
 今日もいつもと同じ日常になりそうだ・・・

☆最初にいくつか・・・

 まずいくつか断っておきたい事があります。
 1つ、私はPC版をやっています。しかしPC版ではマルチ、芹香先輩、レミィの3人+あかりの途中までしかプレイしていません。これはゲームが悪いのではなく、単にそれぞれクリアした後に別のソフトのせいでWindowsの再インストールをしなくてはならないハメになり、都合3回初期化しているんで、「To Heart」を全部やり通しにくくて放っていたんです。
 だから今回書く「To Heart」は主にPS版を中心にしています。でもPC版とPS版の差異についてもちゃんと書きますんでご安心を。
 2つ、PC版の「18禁」とPS版の「一般」のどっちがいいかという話はしません。これはプレイヤー自身が決めればいい事だし。好みの問題って事もありますが。
 3つ、これを書いている時点ではPS版もまだ全キャラクリアではありません。かといって全キャラクリアするまでにはまだまだだし(ちなみに今4人目がやっと終わったばかり)。それと、最初に書いたようにPC版ではクリアしていないキャラもいるんで、キャラがどう違うかとか、そういうのは書けません。悪しからず。もっとも、書いたらネタバレになるのもあるからどのみちあまり書けないけど。(それ以前にこれを聞くぐらいだったら自分で見るわな)
 とりあえずこんなところでしょうか?では・・・

☆「お約束」だけど

 「To Heart」で一番有名なキャラと聞けばは多くの人が「マルチ」と答えることでしょう。私も「マルチ」は「To Heart」を代表するキャラだと思います。
 なんというか、マルチってばとにかく「わかりやすい」キャラなんですよね。「わかりやすい」キャラは他には葵ちゃんがいますけど、なぜマルチなんでしょうか?
 はっきり言って、マルチのシナリオは先が読めます。誰にだって先が読めるシナリオ、それなのになんで多くの人が「感動した」んでしょうか。

 ぶっちゃけて言えば、マルチシナリオが「お約束」だから・・・と言ったら身も蓋もないか。
 だけど、これが「メイドロボ」としてのマルチじゃなくて「人間」のマルチだったら?
 そして、1週間(正確には8日間)という限られた時間でなかったら?
 元々限られた時間での間にぎっしり詰められた話、そしてマルチに課せられた「使命」。
 その2つの要素が後半で明確になるまでの展開があまりにも明るいから気付かない人も多いんだけど(実際うまく隠されている)、実はよく考えると重い話も入ってるんだよね。特に「使命」の方。

 他のキャラにも、いくつかの「お約束」が使われているけど(例:芹香の登場イベントとか葵ちゃんのまっすぐな性格とか)、「お約束」が単純にそのままの形で入っている訳ではなくいくつかの変化を持たせたり組み合わせたりして、それぞれのシナリオもうまい具合にキャラの性格を引き出しているのが多いです。
 でも、マルチはかなりストレート。基本的に「見たまんま」なのね。だから親しみやすいシナリオなんです。その分最後の展開で素直に「よかったね」と思ってしまうのもうなずけます。

 (でもマルチ人気が高すぎて暴走してるような感があるのはちょっと・・・(汗))

☆「日常がある」という事

 あと、「To Heart」のシナリオで特にいいと思うのが、「日常がある」という事でしょうか。
 そりゃ登場人物たちはオカルト娘はいるし超能力者はいるし眼鏡っ娘(さらに関西弁)はいるしハーフの娘はいるしメイドロボはいるし、といった具合に「完全に普通」とは言い難い人たちですけど(苦笑)、それらが「日常」をブチ壊しているかというと、まったく逆なんだよね。
 むしろこういった特徴がなかったら「To Heart」で日常を感じるのが難しいと思うし。変な言い方ですけど。

 何というか・・・毎朝の描写がうまいから「あー、今日もまた一日が始まるなぁ」と思えるし、そうすると「今日は(も)○○○に会おうかな」とか思うのね。この流れが自然なんです。
 実際にやってみないとわからないけど(元々説明しにくいし)。要はこの流れを「気持ちいいなぁ」と思えるなら、「To Heart」はあなたに合っているって事ですね。
 ちなみに毎朝の描写は、後からタクティクスから出た「ONE 〜輝く季節へ〜」がさらに秀逸な描写をしているんで、「To Heart」と比べてみるといいかもしれません。

☆Win版とPS版

 そうそう、Win版とPS版とではいくつか違いがありますね。当然といや当然ですけど。
 シナリオがいくつか変更されている他に、PS版ではWin版での不満(欠点)であった「どこにどのキャラがいるか」ってのが簡単にわかるようになっているので、Win版でありがちな「同じメッセージ(誰もいないシーン)」を見る事が減っています。もっとも単純に攻略出来る訳ではありませんが、少なくとも無駄な労力が減ったのは確かですね。
 あとはPS版だとデュアルショック対応で、使い方のうまいシナリオとしては葵ちゃんと綾香さんでしょうか(まだ全員クリアしていないんで、他にもいると思いますけど)。一部「あれ?」って使い方をしているシーンもありますが、テキストとうまく咬み合わせて雰囲気を盛り上げるようにしているシーンが多いので、デュアルショックを持っていたら楽しいシーンが多いです。
 他にもPS版ではCDのロード時間が比較的短い、おまけゲームの充実、などといろいろ頑張っている内容なので「To Heart」がどういうのかを試してみたいならいい選択かもしれません。

 じゃ、Win版の利点は?というと、Hシーン・・・冗談です(一部のシナリオは冗談抜きでHシーン必須だけど)。あとは歌が「Brand New Heart」って事とか?「届け!テレパシー」って歌詞に洗脳された人も多いハズ(苦笑)
 あと個人的にはマルチシナリオはPS版のも結構いいんだけど、PC版の方が「せつなさ」爆発でいい感じだったと、そういうところでしょうか。もっとも・・・マルチシナリオは「知っているか知らないか」でかなり印象が変わってしまうから「(PC版とPS版の)どっちが先か」によって好きなENDも変わると思うけど。

 ま、PS版、Win版のどっちも良く出来ているのに間違いはないし、どっちを選んでもいいんじゃないかとは思いますが。
 どっちもプレイヤーに優しく作られているのは一緒だし。とにかくあらゆる意味でサービス盛り沢山な作りだしね。
 (もっとも、Win版は延期に次ぐ延期があった為か、後から追加されたと思われる部分の作り込みが甘いのは確かです。ただし当時としてはかなりのサービスだったのは事実)

☆とりあえず1回はやるが吉

 何にしても、「とりあえず」でも1回はやっておいても損はないと思いますね。
 「To Heart」が「サウンドノベル」系の恋愛物というジャンルを広めたのは事実だし、シナリオに変なクセもないし(これって割と重要な点だと思うけど・・・)。
 それに「どういうのかな?」と手を出しやすい内容だと思うし、興味があったら1回ぐらいやってみるのもいいんじゃないかな。

☆番外 お嬢様は魔女

 PS版のおまけゲーム「お嬢様は魔女」はSTGなんですが、これがまた熱くて熱くて、ついつい本編そっちのけでずーっとやっていたりします。
 ・・・ノーショットボーナスとか、ノーミスでないと出現しない○○(自力で見てね)とか、反射による得点10倍とか、稼ぎを考え出すと止まらなくなります(笑)
 しかし結構厳しいぞ、これ・・・。まだ3900万点を超えられない・・・(涙)

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 本当は両方やるのが一番いいかもしんない。特にPS版ではシナリオの補完がされていいるキャラもいたりするんで。
 あと誰か綾香さんをください(バキィ!!)レミィでも可(ドカバキ)

 補足:アクアプラスはPS版「To Heart」を出している会社。ただし実際にはLeafの別ブランドで、スタッフもLeafと一緒です。
 なんでこうなっているかの想像はついているけど、ここでは書きません。ここで書く内容でもないし。