「堕天使の選択」。
響きのいいこのサブタイトル、これを聞いてどう思うだろうか。
私は、このサブタイトルの意味が知りたい、それだけで買う事を選んだ。
しかし、プレイしていて「これはよく出来ている」と実感した。
なにしろ、バランスがとてもいい。すぐレベルアップするのだが、そのタイミングが見事に設定されていて、その時点でのレベルアップがちゃんと活かされるようになっているのだ。そのおかげで、無駄な戦闘が(他のゲームに比べて)少なくなっている。これはストレスがあまり溜まらなくて快適だった。
また、パーティはあるのだが、実際に装備を揃えないといけないのは主人公フェイトと少女リアーナだけでよい。他のキャラはそれなりの装備をしていて、ほとんどの場合、ちょっと買い物をすれば充分なようになっている。これはストーリー上、キャラの入れ代わりが激しいからだと思うのだが、ここでもうまく調整されていてプレイヤーの手をわずわらせる事がないようになっている。
あと、「天使の詩」シリーズの特徴として、「メモ機能」があり、今は何が目的かがある程度わかるようになっている。これはそれなりに便利である。
実際、ここまでストレスを感じにくいゲームがどれだけあるのだろうか。ある意味では、RPG(特にドラクエ型)のゲームとしては、模範としても良いぐらいの出来である。
ストーリーをバラす事は嫌いなので、序盤を紹介するに留める。
魔物狩りに出かけた主人公フェイトとシオンは、「封獄の塔」へと向かった。
今まで誰も内部に入った事がないと言われる「封獄の塔」にたどり着いた途端に、大地震が起こり、門が開いた。まるでフェイトが来るのを待っていたかのように。
塔の中には魔物が多くいたが、ファイトとシオンはそれらを倒しながら塔を登って行った。そして、塔の中で倒れている少女をみつける。それが記憶を失った少女リアーナとフェイトの出会いであった・・・
フェイトはリアーナの記憶を取り戻す手助けをする為に、一緒に冒険の旅に出る事になる。それが、世界の運命を左右する冒険になる事も知らずに。
「堕天使の選択」
それは人間の愛と勇気によって、成される選択。
フェイトはリアーナを信じ、全ての選択をリアーナに任せた。
リアーナがとった選択、それは・・・
「堕天使の選択」
それは慈愛と希望に満ちた者だけが、成し得る選択。
「愛」がテーマだが、これだけ突き詰められた物語となると「愛」という言葉にクサさを感じるどころか、かえって素直に「愛」を感じられる。変に説教臭くもないし、かといって「照れ」もない。そう、まさに「愛」のRPGなのだ。
・・・何書いてるんだ、オレは(汗)
ま、それはともかく。今までにプレイしたRPGの中でも、特によく出来ている事は保証できる。バランスは見事だし、ストーリーもオリジナリティが高い。こういった作品もどんどん見直す必要があるだろう。埋もれさせるには惜しいゲームである。
なお、「天使の詩2」のプレイの前に、「天使の詩」を先にプレイしておいた方がいいだろう。内容的につながりのある部分が多い(というか、後半の舞台は・・・)からである。どちらもそこそこの値段で買える今のうちに買っておくことをすすめる。(なんか、一部の店で変に値を釣り上げていっているので・・・)
また、シリーズ完結編として、SFCで「天使の詩 白き翼の祈り」がある。