あなたは、頭痛を感じながら目覚めた。どうやら酒を飲み過ぎたまま寝てしまったらしい。
頭痛を抑えながら、顔を洗うために洗面台の前に立つ。
そしてある重大な事実に気付く−「記憶がない!」
嫌な予感がするのを抑えながら、部屋を調べていくと、次第に自分は探偵で、元ボクサーだったが止めてしまった事などを思い出していった。そしてある部屋の扉を開けて中を見た途端に、衝撃を受けた。部屋の中には机の上に死体があって、その死体には見覚えがある−!
このままでは殺人の濡れ衣を着せられてしまう。そう考えたあなたは一刻もこの場を去り、何とかして真犯人を見つけなければならない。しかし警察は言うに及ばず、マフィアなどもあなたを狙っている。
あなたは無事に真犯人を挙げ、濡れ衣を晴らす事が出来るのだろうか・・・?
という事で、ハードボイルドなストーリーで展開する「デジャヴ」。
「あなた」は記憶喪失ですが、物語が進むにつれて次第に記憶を取り戻していきます。ですが、回りの人はほとんどが敵だと思ったほうが良さそうです。なぜなら、あなたに濡れ衣を被せた人がいるかもしれないから・・・
そういう訳で、このゲームは常に1人称になっているのですが、元々はマッキントッシュで出ているゲームだけあって、マウスの操作一つだけでほぼ全ての行動が出来るようになっています。
例えば、このゲームではいわゆる「コマンド」は8種類だけになっていて、それぞれ「調べる」「開ける」「閉じる」「喋る」「する」「行く」「殴る」「食べる」になっていて、「喋る」以外はマウスだけで操作出来るし、「喋る」でもキーボートで打ち込む必要は最小限になっています。
さらにアイテムの扱いもマウスのトラッグ、クリックだけで扱えるようになっています。例えばコートの(ポケットの)中にお金を入れたいならお金をトラッグしてコートの上に持っていけば入れられる、といった具合で非常に直感的に行動出来るようになっているのです。
私がプレイしたのはPC-98版ですが、これもMac版を忠実に再現しているようで、優れたユーザーインタフェースに感心した覚えがあります。
ファミコン/GBカラー(ちなみにGBカラー専用で、白黒では遊べません)では普通のコマンド選択方式になっているようですが、こちらはプレイした事がないのでここでは扱いません。
しかし元が海外ゲームだからというのもあると思いますが、とにかく罠がかなり多く配置されていて解くのも難しいです(私は途中で投げました)。
例えば、建物から脱出しても、自分の車に乗ってはいけません。あなたに濡れ衣を着せようとしている者が爆弾を仕掛けているのです。でも話の後半ではこの車が重要な鍵になります・・・といった具合で、いつそれが必要になるかわかりにくいし、かといって不要な物もかなり多く、しかも失敗するとゲームオーバーになる場面も多いというのもあって、難しいのです。
でも謎や仕掛けを1つ1つ解く楽しみはありましたね。難しい(厳しい)んだけども。
これからやってみようという人は、GBカラー版がいいかもしれません。でも手に入るかどうか・・・マイナーなタイトルだしなぁ(一応秋葉原で見掛けた事はあるが)。
「デジャヴ」には続編の「ラスペガスからの脱出(Lost in Las Vegas)」も出ているのですが、これがまたやはり厳しいゲームです。
話はこういう感じですね。
前作で事件を解決した為に、ラスペガスのギャングの親分が巨額な損失を被った、だからギャングが主人公の探偵を誘拐してラスペガスに連れて来たのですね。そしてギャングが言うには、期間内にその損失をどうにかして返せ。でないとお前の命はないぞ−とこんな塩梅です。
しかも逃げ出さないように手下を見張りに付けているし、ラスペガスの回りは砂漠(ちなみに時代設定は禁酒法時代の辺り)だから下手に逃げようとすると命がありません。さて主人公の運命は?
という事ですが、こちらはもっと難しい内容だったと思います。だって、序盤の方で挫折しましたから・・・
難しいのは確かですが、逆に言えば骨のあるAVGがやりたい、という人にはお薦めだと思います。特にいろいろ反応が多く設定されているのが嬉しくなりますね。
ファミコン版なら攻略ページがどこかに出ていたと思うんだけど・・・
しかしよくあれを解けるなって気もする。