「おやじ四段積みシステム」。
この名前を持つ謎のシステムを引っさげて登場した「臭作」。
前作の「遺作」とは直接の関係はないという事になっている(一応遺作と臭作は親戚関係らしいが)し、先述の名前を持つシステムがあるという以外は本当に謎のゲームでした。
エルフの定番と言えば定番なんですけどね−というのは、エルフのゲームはほとんどが「プレイすればわかる」スタイルになっているので、広告ではあまり説明しないんです。だから実際にプレイするまではどういう物かわからない、と。
そのシステムとは・・・
簡単に言ってしまえば、スケジュールを組み立てる行為、つまり「スケジューリング」をゲームにした物が「臭作」です。
普通、コマンド選択式AVGではコマンドを選択する事で話を進めたりしますよね。特に「主人公の行動」を能動的に取っていくような感覚を得るのに適しているスタイルです。
ところが「臭作」の場合、このコマンド選択というのがかなり減っています。
というのは、「臭作」の場合、「どこに行く」かを指定する以外のコマンドがありません。
ではどうやってゲームを進めるかというと・・・ここがミソで。
まず、1時間を15分ごとに区切ります。そうすると、4つの区分が出来ますよね。
その15分ごとに「どこに行く」のかを指定するのです。
こう書けば察しのいい人はわかると思いますが、「四段積み」というのはここから来ているようですね。
そして、4区分ごとに行く場所を指定し終わったら、臭作が実際に行動する事になります。
基本的には臭作が行う行動は「ビデオカメラを設置する」「デジタルカメラを設置する」「何もしない」の3つで、前にその場所でカメラを設置している場合は回収。人がいた場合は、大抵は会話をするだけでその場を去る事になります(例外あり)。
そして、ここからが臭作らしく「イヤ気」たっぷりの鬼畜な展開になります。
ビデオカメラは2時間、デジタルカメラは1時間の間にその部屋にいた女の子が恥ずかしいポーズをとっていたりしたら、自動的に撮影するようで(あ、理屈はこの際抜きね)、基本的にはそういった盗撮写真(ビデオも最後の映像を写真にしてるみたい)を集めて、最終的には目的の娘の所に送り付けて「こぉんな写真を持ってるんだぜ、黙って俺に身体を差し出せ。そうしないとバラ撒いてやるぞ」と脅す・・・と、こういった感じです。
しかしこの写真がまた、集めるのは大変・・・というかそうでないとゲームにならないけど(苦笑)
例えば、娘がその部屋にいない間はカメラを置いても無駄なのはわかるでしょうし、いたとしてもその娘が普通にしている時は弱味を握れる写真は撮れないし・・・という訳です。
だから「いつ、どこでHな写真を撮れるか」というのが重要になってくるし、ここでスケジューリング作業が意味を持ってくる事になります。しかも最初から繰り返しプレイを前提にしている為、スケジュール表(というよりはタイムテーブルですね)にどんどん情報が自動的に埋まっていくようになっています。
ちなみにタイムテーブルは周を重ねる毎に「誰がどこにいた」という情報がどんどん蓄積されていき、それに従って攻略ルートもある程度つかめるようになっていきます。
これを見て「あれ?」と思うかも・・・そう、例えば「同級生」シリーズではプレイヤーが自分でタイムテーブルを作る作業が必須でしたよね(この娘はこの時間にはここにいる、というのを記録しないとクリアがおぼつかない)。その作業が「臭作」ではゲームそのものになっている訳です。
しかも、条件によっては娘がいる場所が変化する事もあるので、「前のプレイではいなかった場所に今回は出てきた」という展開もあります(条件は比較的わかりやすい物ですが)。
こういったシステムなので、ジャンルとしては「アドベンチャーゲーム」ではあるけど、プレイ感覚はどちらかというとパズルゲームを遊んでいるような感じになっています。
ただ、これは欠点・・・というか、人を選ぶ要因にもなってしまっています。
構造上仕方ない事ではあるのですが、ゲームシステムの関係で最初から複数回のプレイを余儀なくされている為に、どうしてもプレイ時間が長く感じられるのです。ただ、これは実際のゲームの中での制限時間を「2日間」にする事によって、1回辺りのプレイ時間を抑える事によってある程度は解消されていますが。
それにプレイの仕方によってはなかなかHシーンを見付けられない事もあります。ただ、基本的にはHシーンが出てくるポイントがある程度決まっているので、それに気付きさえすればある程度は簡単に手に入れる事が出来るはずです。あとは根気かな・・・
#でも、最終的には攻略本や攻略ページに頼るプレイヤーの方が多いのでは?
#結構きついキャラがいるし・・・
それにしても・・・このゲーム、いろんな意味で「嫌」なゲームですね(苦笑)
本当の意味で「嫌」って訳ではなくて、なんというか・・・説明しにくいんですが、うーん。言うなれば「ちょっとひいた」ってとこか。
例えば、臭作のセリフの数々。わざと不安を掻き立てるようなセリフが多いんですよね。もっとも、これは臭作が自覚してわざと言っている(元々臭作は「嫌われる」というのが好きらしい)のですが、プレイしていて「うわっ(汗)」と思ってしまう事もしばしば。
それにHシーンも凌辱中心・・・というか、臭作がそういうキャラだから当然なんだけど(苦笑)これがまた「ねちねちと虐める」って感じの内容なんで。ちなみにSMの「虐める」とは違う意味での「虐める」ね。スバリ言ってしまうと「嫌がっているところを無理矢理」って感じで。
でも、一番「嫌」と思ったのは、あのラスト(というか最終話というか)。
なんじゃそらーーーーーーーっ!!!!!!
・・・この部分だけは臭作に少しだけシンクロ出来ました(苦笑)本当は臭作にシンクロしたくないけど。
というか、臭作でなくても「俺の前でむずかゆい事するんじゃねぇ」って言いたくなる(苦笑)
ま、ゲーム部分はおもしろかったけどね。あとオチは笑えた。
ちなみにアダルトアニメで「臭作」「臭作Replay」も出ているけど、こっちはオリジナルストーリーでゲームとは別物になってます(キャラは同じだが、シナリオ展開がオリジナル)。ま、実際あのゲーム内容をそのままアニメにするのは無理がありますが。
それにしても・・・盗撮した写真がCGモードでは見られないってのはちょっと、と思う。いくらかお気に入りのがあったんで。
あとCGモードに登録されるHシーンについて少々。こういうHシーンでは基本的に3回メッセージが変わります。だから3回とも見てみましょう(根気があれば、の話だけど)。
何にせよ、結構おもしろかったけどもうやらない・・・根気が尽きたよ。