最初にこれを書いた方がいいと思うので、ここに書いておきます。
この「イルブリード」は万人にお奨め出来るゲームではないし、それどころかテーマ自体が人を選ぶ内容になっています。
ですから、次に挙げる項目に引っかかる人は買わない方がいいでしょう。
他にも、小さな子供、少なくとも高校生ぐらいになるまでの子供には遊ばせない方がいいと思います。
と言いますのは、「ゲームが悪影響を与える」というよりは、少なくともテーマ自体が「ホラー映画を体感する」、つまり命がけの戦いが中心になっているので子供には見せたくないという事です。
私自身は「イルブリード」を評価していますが、少なくとも子供には見せない方がいいと思います。
それからもうひとつ。「ゲームは子供の敵です」とか言っている人にも見せない方がいいでしょうね。最近はこの手の話があまり出なくなったとはいえ、あまりうるさく言われたくないと思うし・・・
まぁ、少なくとも「現実」と「虚構」の区別がついて、かつブラックな要素に苦笑出来るぐらいなら大丈夫だと思いますが・・・
とりあえず、注意(警告)は書いておきました。
もしこのレポートを読んで「イルブリード」を遊んだとして、「このゲームのせいで夜眠れなくなった」とか「ホラーなんて大っ嫌いーーーっ!!(涙)」とか言ってくるのだけはやめてね。
まして「ブラックすぎて嫌すぎなんですけど」とか言われても困るんで・・・(苦笑)
「イルブリード」。
それは「お化け屋敷」ばかりで構成されるテーマパークとして知られていた。
しかもどの題材が「世界一上映禁止をくらった映画監督の映画」、しかもホラー映画が中心になっているのだという。そしてありとあらゆる仕掛けがほどこされていると宣伝されていた。
そしてここから無事に脱出出来れば賞金が出るという。しかしそこから帰ってきた者はこのかた一人もいないとも噂されている。
ことの起こりは、主人公たちのところに(懸賞で当たった)招待券が送られてきたことだった。
エリコは「こんな条件で賞金が出るなんておかしい。絶対何かがあるわ」と行くのを断ったが、他のメンバーたちはそのまま「イルブリード」に行く気になってしまっていた。
それから数日後、全然帰ってくる気配のないメンバーを捜す為に、エリコも「イルブリード」の門の前に来ていた・・・
いきなりですが、本当に最初は怖いです。
設定からもわかるように、「イルブリード」のアトラクションは全部、「観客を楽しませる」為の仕掛けではなくむしろ本気で殺しにかかってくる仕掛けばかり。それに対処するには、各アトラクションのどこかに隠されている「ホラーモニター」で怪しいと思う箇所をチェックしないといけないのだけど、中にはチェック出来るのに実際には罠が仕掛けられていない物もあります。しかもチェックする際には「アドレナリン」が若干必要だし・・・という具合で、単純ではなくなっています。
このアドレナリンは、モンスターを倒すか、罠を見破ればいくらか回復するようになっています。だからうまくモンスターを倒すなり罠を見破るなりして進んでいかないといけません。
では、罠の場所を覚えれば・・・と思ったら、一部の罠(イベント)やアイテム以外は場所が固定されていません(ある程度は出やすい場所があるが)。
それじゃどうするの、と思うでしょうが、実は画面上部にプレイヤーキャラの「感じている事」(いわゆる「視」「聴」「嗅」に「第六感」を加えた物)がメーターになっていて、その波の波形で、ある程度罠の動向と場所(距離)がわかるようになっています。
例えば、池のそばに近づいた時に「臭」のセンサーが反応したら、その罠は「池」にあって、「臭いを持つ」罠だろう・・・とアタリを付ける事が出来るのです。
ただし、「第六感」だけは特別で、これが反応する場合は罠ではなくて「アイテム」か「モンスター」のどちらかになっています。そしてモンスターだった場合はもちろんすぐに戦闘になりますが、その前に「警戒」していないとプレイヤーキャラはびっくりして腰を抜かしてしまいます。この状態では逃げ回るしかないです。一応回復する事は出来るけど、エリコ以外は回復するまでの時間がかかり過ぎるので、出来ればこの状態にならないようにしなければなりません。
こういった一連の作業が基本になりますが、アトラクションによっては「警戒」の必要があまりない場面もあったりするので、ゲームのテンポが単調なものにならないようになっています。
そして、「イルブリード」のアトラクションは、言ってみれば「ゲスト参加型」のアトラクションな訳です。
だからはじめのうちはプレイヤーが「見ている」キャラが実際に体験する事をプレイヤーが見ている構造になるのですが、これが後半になるに従ってだんだん怪しくなってきて、ある場面からはもう完全に「映画」みたいな構造になります。
ところが、ここまでの流れがまったく不自然じゃないんですよね。いつのまにか境界が切り替わっているのに、プレイヤーにはそれがあくまで自然なままの流れに感じられる。具体的に書くのはネタバレなので書けないのですが、これを見たときは「うまいっ!」って思ってしまいました。演出がうまいんですよ、本当。
というのは、アトラクション自体は先にも書いたようにホラー映画がテーマになっていて、当然舞台も題材になっているホラー映画を意識した物になっているのですね。
ところが、あるアトラクションからは「イルブリード」自体とアトラクションの区別が不可能になってくるのです。その次の段階には・・・
こういう構造をうまく作ってしまって、さらにそれをうまく利用したというのは素直に凄いと思います。
ただし、問題も無いわけではありません。
・・・その途中辺りで絶対子供には見せられないような展開になるんだよなぁ・・・(汗)かなりブラックな内容だし。
この辺りが難しいところですね。やっている事は実際良く出来ているんだけど、元々のテーマ自体が人を選ぶから。私個人としては認めているんですけどね・・・
で、「イルブリード」は行方不明になったメンバーを助ける事も目的の1つですが、これが結構難しいです。
大抵の場合、救助できるのは2人ぐらいじゃないかな。これらは割と素直に見つかるし。
でも、残りはというと・・・なかなかわかりにくいんですよね。私はキャラ自体見つけられなかったし(条件とかが関係するキャラもいるらしい)。
ただ、基本的にはアトラクションをクリアする途中で救助するという流れなので、他のメンバーを無視する事ももちろん出来ます。その場合は当然無視されたメンバーは死亡しますが・・・
この場合、アトラクションの難易度はそう難しくはない程度になるようです。だからアトラクションを楽しむだけなら、メンバー救助を無視してもいいでしょう。もちろんエンディングはバッドエンド確定ですが・・・
ついでにヒント。
あと、1週目では絶対にバッドエンドになります。グッドエンドになるには、2週目以降である条件を満たしていかないといけないようです。
だから1週目はそれぞれの面のある程度の傾向をメモして2週目から本気で取り組む、って感じでいいんじゃないかなぁ。元々そういう風に作っているようですしね。
それからもう1つ。「イルブリード」では肉体改造による強化も出来ますが、これは1週目ではエリコだけを強化した方がいいです。1週目では、他のメンバーはどのみち役に立たないし、2週目以降も肉体強化は引き継ぐシステムのようですから、肉体改造しておけば後々ラクになります。
それからこれが一番重要ですが、「絶対逃げなければならない敵(無敵だから)」かどうかの判断が出来るようになること。意外とここでハマる人が多いようだから(そういう私もそうだったのだが)。
しかしよくここまで作るよなぁ・・・
でも一般指定でいいの?本当に(汗)
DCになってから「18禁」「18推」の指定が消えたのがなぁ・・・エロだけが18禁(18推)じゃなかろうに・・・