ニューヨーク、マンハッタン。
この街には希望もあるが、絶望もある。
光と闇。栄光と敗北。
希望を持ってこの街に来る人もいれば、挫折して街を出る人もいる。
そして、このマンハッタンの一角で、女性が闇に舞った。
サラ・シールズ。
直接の死因は飛び降り自殺と見られる…
いや、思いっきり古い作品なんだけどね、これは。なにしろ昔のマシンであるFM-7とかPC-88でも出てた物なんだし。私は運良く新品で入手したPC-98版をプレイした事があるんですが、かなり感動しました。(現在は持っていないです)
「実際にニューヨークでロケをした」というのが納得できるほど密度が濃いんです。なにしろ、実際にある地名がいっぱい出て来るだけでも結構リアリティがあるんですが、プレイしていくと自然に頭の中に入ってしまうんです。「○○はたしか、あそこだったな」とかね。そして人物設定も見事に作られているんですが、この辺りはリバーヒルソフトの凄い点だと思います。というのは、続編でもシナリオなどはこれ以下のレベルにはなっていないんです。
それにしても、このシナリオは今考えても凄いシナリオです。J・Bハロルドに扮するプレイヤーはまず「サラ・シールズ」の自殺に関して調査する事になります。というのは、サラにかけられた保険の受取人がこれまた「サラ・シールズ」だから(え?わからない?プレイしてのお楽しみって事で…)。そうこうしていくうちに今度は劇団「ANGELS」とのつながりが見えてくるし、また「サラ・シールズ」が浮かび上がってくる…と、結局3人の「サラ・シールズ」がいるんですよ。もちろん顔とセカンドネームは違うのですが(これはストーリーの中心なので伏せておきます)。プレイしていてややこしくなるけど、実はある地点からストーリーは一気に加速していって、だんだん紐が解けるように事件の全貌が見えてくるのです!それは、過去の事件が関係していたのでした…。
はい、ネタバレ厳禁なのでここまで。しかしラストシーンでは本当に感動しましたね。「これぞハードボイルド」って感じで。しかもシナリオに矛盾はほとんどない、というのがまた感動でした。やってくれるぜ。
で、現在は入手しやすさから言えばWin95版が一番ですね。ただ、欠点もあって、「HDDの容量を食い過ぎ」るので気を付けてください。あとムービーによるデモがあります。
あとはPC-98ならDISK&BOOKがあります。でも探すメリットがあるかどうか…(汗)一応、HDD対応とDOSなので「軽い」事ぐらいですか。
ちょっと前まではたしかTAKERUで扱ってたけどなぁ…(ウロ覚え)TAKERUはもう事実上の活動停止だしなぁ。(注:これは執筆当時。98年現在は終了しています)
ちなみに「Another story of Manhattan Requiem」つまり「マンハッタン・レクイエム外伝」的な作品「KISS OF MURDER 殺意の接吻」もあります。本編をクリアした後にプレイすると余計ややこしくなって楽しいぞ!(苦笑)こちらはWin95版しか売っていないな、今では。
J・Bハロルドシリーズは「ブルー・シカゴ・ブルース」を除けば全部クセもないのでおすすめです。「ブルー〜」は人を少々選ぶのですが、悪い作品ではないです。私はパスしますけど(苦笑)
2005年現在では、Project EGGにより、PC-88版を始めX1版、PC-98版、X68版がWindows上で遊べるようになっています。他のJ.Bシリーズも出ているのでお薦め。また、リバーヒルソフト社は現在は消滅していますが、スタッフが移動、版権なども移動し、新しく出来たアルティ社が携帯電話用やPSPに移植しています。また一部のタイトルだけですがPCソフトの廉価版が出ているようです(2500円とか2000円でよく売ってるヤツね)。
2008/11にDS版で「刑事J.B.ハロルドの事件簿 マンハッタン・レクイエム&キス・オブ・マーダー」として移植されました。
DS版での進行の目安
1日目
21/13/9/31 18%
証拠 +2(4) 錠剤、手紙
捜索 +1
2日目
35/22/29/47 33%
証拠 +4(8) オルゴール、オーディションカード、香水、タバコ
捜索 +1(ALL)
3日目
43/28/37/64 43%
証拠 +2(10)台本、スプーン
4日目
78/50/48/91 66%
証拠 +1(11)時計
自供:フラニー
5日目
89/79/68/97 83%
証拠 +1(12)鍵
自供:バーバラ、セリーナ、リチャード、ダイアン
6日目
96/97/81/98 93%
証拠 +1(13)遺言状
自供:レナード、ディック、ロベルタ、ロイ
7日目
ALL
証拠 +2(15)出生証明書、楽譜
自供:アンディ、ピート、ローレンス