いわゆる「ゲームボーイアドバンス」(以下「GBA」)で「LUNAR」がリメイク−−と聞いてびっくりしたのは私だけではないでしょうね。それもそのはず、SS/PS版ではアニメによるムービーが結構多く、それをGBAでどう再現するのか?と思うのですから。
そして、シナリオもいくつか修正をしている・・・という事で、発売日に買って遊んでみました。
なるほど、シナリオの修正は文庫版を基準にしているようです。
主な設定はSS/PS版と一緒なのですが、例えば主人公アレスが白竜の洞窟に行くきっかけが、GBA版では「ドラゴンマスターになる為の試験を受けに来た」と言うナッシュの道案内になっています。他にも細かいところで結構変更があったり。
でも、クリアして、やっぱり「LUNAR」だなぁ・・・と思うのは一緒ですね。
内容自体はSS/PS版を基本として、GBAに合わせた変更をしている感じ・・・という事で、例えばいわゆるフィールドマップがなくなって、街から街などへの移動は地図の上で指定する方法になりました。これはGBAの性質上やむを得ないでしょうね(広いマップを移動するのはGBAではちょっと酷)。もちろん、道中などは普通に歩きまわるんですが。
ただ、いきなり自由に移動出来るようにはなっていなくて、目的地の話が出てからでないと地図の上にも移動先が追加されないようになっています。一部、これを利用した「隠し」もあるのですが、ちょっと気付きにくいかも。
そして戦闘シーンは・・・SS/PS版などではいわゆる「距離の概念」が見える形で表現されていました。例えば、遠い位置にいる相手を指定した場合、移動可能な距離が足りないと途中で動きが止まる(攻撃出来ない)、といった感じになっていましたね。
これがGBA版では、見かけ上はなくなっています。・・・が、完全になくなった訳ではありません。実は、攻撃そのものは出来るけど、相手に与えるダメージが微妙に変化してるのですね。
もっとも、これは正確には、「前衛と後衛」という位置関係と思った方がいいのですけど。つまり、前にいる敵が生き残っている時、その後ろにいる敵に攻撃するとダメージがいくらか減るのです。もちろん前にいる敵を倒していれば、ダメージはそのまま行きますが。
もう一つ、戦闘シーンも含めて、キャラたちの細かい動きがかなり多くなっています。これはイベントシーンでもうまく利用されていて、GBAに合った見せ方になっています。この辺はSS/PS版より良くなっていますね。
ただ、やっぱりGBAの性質をうまく捉えきっていない印象があるといいますか・・・少し長く遊ぶと、なんだか疲れてしまうんです。個人的にはGBAで遊ぶよりも、「テレビdeアドバンス」みたいな物を利用してTVで遊ぶ方が疲れなくて良さそうだと思うのですが(ただ、改造になるので任天堂の保証が無くなってしまうのが欠点。任天堂もTV出力する方法を出して欲しいものだが・・・)。
さて、GBA版の特徴としては、「カード集め」が加わりました。
これは、ザコを倒して手に入れたり、ボスと戦って手に入れたり、・・・といろいろな入手方法があります。
でも、全部集めたところで何か特典があるのかというと・・・特に何もないとのこと。
これって何の意味があるのか、理解に苦しむんですが・・・
他に「通信してカード交換」もあるけど、これも先述のように全部集めたところで何か特典もないし、あまり楽しみが感じられないと思うし・・・
「集める楽しさ」を否定はしないけど、それだって「集めると何か特別なことが起こる」という楽しみがあるならまだ話は別なんだが(カードゲームの場合、「集める」事が「勝ちやすくなる」事につながってる、などというように)。
こういう、「GBAの機能を無理矢理使おう」という要素は入れなくていいと思うんだけど、ねぇ。(任天堂が「GBAの通信機能は絶対使え!」とか言ってるのなら話は別だが・・・)
もし、今後GBAで「ETERNAL BLUE」が出るとしたら、この辺りはもう少し改善(全部集めたら隠しCGが数枚追加される、とか)するか、あるいはきっぱりと削除して欲しいところ。
とはいえ、これらはあくまで「おまけ」なので気にしなければいいといえばそれまでなんだし、本編の方はちゃんとした内容だからまだいいんだけどね。(最悪なパターンは、こういった本編に関係のない要素で「詰まる」ようになっている場合。昔のゲームではこういうのがたまにあった)
ともあれ、基本的にはやっぱり「LUNAR」ですね。
一部の話はSS/PS版より整理されてわかりやすくなった部分もあったりしますし。
あとは「ETERNAL BLUE」がGBAで出るであろうその日を待つとしますか(さて出るんだろうか?)
うしとら