この「マジカルチェイス」は、ＰＣＥのプレミアソフトとしても有名なソフトである。しかも、プレミアソフトにしては珍しく内容もいい出来になっている。
このソフトがプレミアソフトになったのは、メーカーが倒産したから（メーカーそのものは現在ではボーステックになっている）初版のみしか出てなかった事。実際にはその後に某ＰＣＥ誌での特別企画で限定復刻したのだが、この「限定」がまた「受注分のみの生産」という事で、結局数はあまり出ていない。これが１つ。
もう１つの理由は、プレイヤーたちの間で口コミで「これ、おもしろいぞ」という評価がかなり広まり、その為中古に出たそばから売れていく事。
いずれにせよ、こういう特殊な事情が重なった為に「マジカルチェイス」はプレミアソフトとなったのである。
ゲーム画面はパステルカラーを基調としてファンタジーっぽいイメージでまとめられている。こういうイメージを持つゲームには「ファンタジーゾーン」「コットン」などがあるが、これらに共通するのは、「意外にハードな内容」だという事。そして、この「マジカルチェイス」も例外ではない。
まず、オプションの「星」をうまく動かさないと死角にいる敵に対応できないし、弾避けにも使えるから「星」を使いこなすのはとても重要だ。しかもボタンを押すたびに「固定」と「追尾」が切り替えられるから、戦略性がある。
そしてクリスタル集めをしないとアイテムや魔法が買えない（そうそう、このゲームでは武器の変更などはショップに入らないと出来ません）から、敵を倒してどんどん集めないといけない。もちろんそれぞれうまく使い分けることが重要なのは言うまでもないだろう。
ところで、この「マジカルチェイス」は、実はあちこちで非常に高度な技術が使われているんだそうで・・・。例えば、５面ではＢＧＭと同期して敵が出てくるとか、他の面では特殊なスクロールを自然にこなしているとか、聞けば聞くほど「ほぉー」と思うような技術が多く使われているにもかかわらず、ゲーム内容にしっかり結びつけている辺りもかなり見事だと思う。
また、ゲームバランスのとり方も、やればやるほど確実に先に進めるようになる、しかし簡単にはクリアさせてくれないバランスで、初心者でも楽しみやすいバランスと言えよう。
今ではＷｉｎ９５版として移植されているので、無理にＰＣＥ版を買わなくてもいいでしょうね。比較的マシンパワーがなくても遊べる出来ですし。
ＰＣＥ版じゃないと嫌だ！という人は根性で安い中古を探す事（私は８０００円で入手しました）ぐらいかな？あるいはアキバ価格（１２８００円前後）なら簡単に入手出来ますけど・・・。
でも、いいゲームなのは確かだけど、わざわざプレミア付けて売るのはどうかと思うんですけどね・・・個人的には。