プリンセスメーカー2

育成SLG
ガイナックス PC-98/FM-Towns/Win/Mac/PC-AT
マイクロキャビン PCE/SS/3DO
サイバーフロント Win/Mac


Prencess Maker2

☆悪魔の育成SLG

 「プリンセスメーカー」が最初に出た時、一部で高い評価が出ていたものの、当時はまだいわゆる「育成シミュレーション」というジャンルがほとんどなく、まして少女を育てていく・・・というキャラ育成SLGは「プリンセスメーカー」以外に全然見あたらないという事もあって、プレイしていない人からは「何あれ」といった感じの冷たい視線が多かったようです。
 特に当時はまだ今ほど「ギャルゲー」というジャンルもあまりなかった頃でしたから、プレイしていない人の偏見も少なくありませんでした。
 そして、私も実際に「プリメ」をプレイするまでは冷たい視線で見ていたのですが・・・

 実際に遊んでみない事には何も言えないので、「とりあえず」という気分で手を出してみたらこれが大当たり、その後毎日毎日PC-98に向かって娘育てにいそしむ私の姿がありましたとさ。
 その後に「プリメ」の続編が発表された時、期待は膨らむばかりでした。その為、ログインでプリメ2の特集記事や付録が出るたびに買ってしまう有様でした。
 その期待にプリメ2は見事に応えてくれるばかりか、HDD(当時は割と高かった)まで買う原動力になるほどの魔力を持ったゲームになっていました。
 −今度は毎日ほぼ徹夜でプレイしている私の姿がありましたとさ。

 それほどプレイヤーをハマらせる魅力のある「プリンセスメーカー2」とは・・・?

☆あなたの手のひらで、娘は育つ。

 「プリンセスメーカー2(以下プリメ2)」は、言ってみれば前作である「プリメ」のパワーアップバージョンです。しかし、そのパワーアップのさせ方がかなり見事で、前作の欠点はほぼ全て解消されていました。

 まず、職業が増えただけでなく、能力値によっては制限の出る職業も増えた事で、前作に比べて随分幅が出てきました。
 それだけでなく授業の種類も増えたのでより娘の個性出しに幅が増えています。つまり前作では単に「武力に長けている」「魔法に長けている」程度のが、「プリメ2」では「見事な芸術を創り出せる」「格闘家として高名」といった個性も持てるようになった訳です。
 これによって、毎年1回行われる王国全体を挙げたイベント「収穫祭」の内容も「戦闘」「芸術」「美術」「料理」の4つに増えて、ライバルもいっぱい増えました。
 このおかげで前作では後半になってくると収穫祭の意味があまりないのが結構解消されました。

 さらに武者修業の舞台も大きくなり、さらに重要なイベントがかなり入ったので武者修業も決して無視出来ない物になりました。そのかわり難易度も上がっています(特に某所に出てくる最強のキャラ○○は本気で強い!地上最強の娘でも勝つのは厳しいです)。
 これによって、戦士・格闘系で育てる時も目標に幅が出ました。

 その反面、パラメータもかなり増えているのですが、実はあまり悩まなくてもいいようになっています。何か悪くなりそうだったら執事のキューブくんが教えてくれますし、娘の表情でもある程度わかるようになっているパラメータもありますから、基本的にはいくつかのパラメータに気を付けていれば大丈夫です。
 それにプリメでのお楽しみの1つ「着せ替え」の服もバリエーションがかなり増えて、しかも前作より派手な服あり綺麗な服あり妖しい服(笑)あり、と本当にこれがまた楽しいです。特に美人に育った娘に綺麗な服が似合っているのを見ると、「もっといい服を着せてあげたいな」と思わず親バカモードに・・・(笑)
 ただし、娘のプロポーションには注意!出来る事なら綺麗な姿で綺麗な服を着せてあげたいですよね。当然プロポーションの調整も目標の一つになりますね。

 さて、町に遊びに行ってきて帰ってきた娘を見ると・・・おや?町で色気付いたようですね。ああ、悪い虫が付かなきゃいいんだけど・・・という具合に、前作よりも実に様々な展開になっていて、より深いゲーム内容になっています。

☆マイ・フェア・チャイルドレディ

 とまあ、データ量があまりにも多い為にPC-98版でさえ12枚組、HDDインストール時には約30M(当時のゲームとしてはかなり多いのです)という大容量ですが、肝心のゲームはデータ量を微塵も感じさせないほど快適に動くようになっていました。

 例えば、FDで遊んでいても結構快適なんですが、よくアクセスするディスクを外付けFDドライブに入れっぱなしにして、入れ替えは本体のドライブだけにすると本当に快適でした。HDDに入れればもっと快適なのは当然ですが、実は外付けドライブを使って計4ドライブにして遊ぶだけでもHDDでのプレイに匹敵するほどの快適さでした。
 もっとも、これはPC-98本体の裏技をこっそり利用して「ディスクを入れた瞬間に中身を確認」するプログラムが入っているからなのですが、この機能を利用してストレスを軽減させているゲームは他ではあまり見たことがありません。
 プリメ2で一番感心したのがこの点です。というのも、「ディスクを入れ替えてリターンを押してください」だけで済ませてもいいけど、実はこの「キーを押して再開」というのが密かなストレスなんですよね。

 また、ゲーム中で一番よく見るシーンは娘が働いたりしているシーンなのですが、このシーンにもアニメを導入して、一目で「おお、よしよし。よくがんばっているな」「あちゃー、失敗した」とわかるようになっているし、おかげで「あーあ、そういう失敗しちゃダメでしょ」「よしうまくいったね」などと思わずモニターに話しかけてしまう(苦笑)
 そのぐらい良く出来たアニメだし、しかもこのアニメがゲームのテンポを良くする事に一役買っています。これも前作での密かなストレスを軽減させる事に成功している点ですね。

 そう、「プリメ2」の最大の特徴は「テンポがいい事」、これに尽きると思います。
 そしてプレイヤーに余計な事(ストレスを感じるなど)を考えさせないようになっているので、かなりハマる内容に仕上がっています。

☆移植も多い人気作

 と、このようにPC-98版での作りがとてもうまかったので、当然ながら他機種への移植希望も凄い物がありました。
 ただ、当時としてはそれなりに機材が必要なゲームだったので、PCEへの移植発表があった時には「ええっ!?本当に!?」と思ったのですが、実際に出たPCE版はかなり良く出来ていました。基本的にPC-98版をベースにしながらも、声が付いたりしている上に、操作性も結構よく出来ていてびっくりしました。

 ところで「プリメ2」では、機種毎の違いが細かい部分で多いのですが、主にPC-98版とFM-Towns版の2つをベースにしているようです。
 PC-98/PC-AT/PCEがPC-98版に、それ以外の機種は全部FM-Towns版に準しているようです。

☆プリメの系譜

 「プリンセスメーカー」
 全てはここから始まった。「2」を遊んだ後では少々辛い物があるが・・・
 娘のデザインはこれが一番好き。見るからに元気そうだし☆(でも実際に娘にするなら「2」の娘だけど・・・ってこらこら)
 PC-98版をオリジナルとしてMSX2/X68/PCE/Mac/PC-ATなど様々な機種に移植されている。

 「プリンセスメーカー ゆめみる妖精」
 PSが発表された頃にPSで発売予定として「プリンセスメーカー3」の仮称で発表されていた。
 でも実際に出るまでが異様に長かった・・・おかげで出ているのに気付くのが遅かった。
 サブタイトルの通り、今度の娘は妖精の娘。
 今ではSS、Winでも出ている。武者修業がない。
 娘は見るからにはねっかえりな感じで可愛げがない(バキ)

 「プリンセスメーカー Legend of Another World
 SFCオリジナルの「プリメ」、発売はタカラ。
 やった事はないが、どうも画面がにじむのでやりにくいらしい。

 他に「プリメ」シリーズの娘全員が登場するゲームとして、クイズ物などが出ているがこれらは一切無視しているのでどれだけ出ているかは知らないです(こういう手はあまり好きじゃないので・・・単なるキャラゲーは作って欲しくない)。

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 補足:Win版には3種あって、最初に出たのはWin3.1専用の物と後に出たWin3.1/95用の物が2種。これがガイナックス販売です。今2480円で出ているのはサイバーフロントが発売している物。内容の差異は不明。
 追加:サイバーフロント販売のもガイナックス版との差はほとんどないそうです。単にWin98正式対応しただけと思っていいとのこと。(情報提供:AKATTAさん)

 このシリーズのイラスト目当てだけの為に赤井孝美画集「陽気な娘さん」を買ったというのは内緒だ!しかもあまりにも大事にしすぎる為に全然見ていないというのもまた内緒だ!(ダメじゃん)
 ・・・とまぁ、そのぐらい好きなイラストだらけなんですよ、「プリメ」シリーズって。
 実はこっそりガレージキット(出ているんです)の「娘さん」も狙っていたりする・・・
 あと見出しの「あなたの手の〜」はPC-98版の広告のコピー、「マイ・フェア〜」はPC-98版の仮タイトルです。(どっちも一番最初のプリメでの話ですので念のため。プリメ2以降の話ではないです)

 「プリンセスメーカー」についての詳しい記事などは「プリンセスメーカー博物誌」が大変充実しています。
 さぁ、あなたも親バカなパパさんになりましょう!