「うる星やつら」というタイトルで何を思い浮かべるでしょうか。
ビキニの電撃鬼娘のラムちゃんでしょうか?それともいつもガールハントばかりしている諸星あたるでしょうか?それとも「暗いよ〜せまいよ〜こわいよ〜」「たたっ斬ってくれるっ!」の面堂終太郎でしょうか?それとも怪力女のしのぶちゃんでしょうか?それとも「海が好きーーーーーーっ!!」のおやじでしょうか?・・・きりがないからこの辺にして、と。
でもみんなに共通するのは、早い話が「毎日が大騒ぎ」って事でしょうね。そのドタバタが「うる星やつら」の味になっているわけだし。
もちろん、このゲームの「うる星やつら」もその例にもれず大騒ぎになります。
話は面堂の妹、了子から誕生会の招待状が黒子の手によって届けられたところから始まります。なんでも「余興としてゲームを企画しました。優勝した殿方には了子とステディの関係に、婦女子には終太郎の熱いキッスが贈られる」との事です。それを聞いて黙っているあたるではありません。
当然「優勝して、了子ちゃんとステディに・・・!(しかしラムにバレたらひどい目に合わされるからこの事は黙っていよう・・・)」という訳で・・・
何にも知らないラムを連れてあたるはパーティ会場に行くのでした。
そこには巨大な迷路が作られていて、参加者たちを待ち受けていました。
ところで、いわゆる「原作物」「キャラ物」のゲーム化、と聞くとどういうイメージを持つでしょうか?多くの場合は「原作のイメージを損なわないで欲しいな」って事でしょうね。特にAVGの場合、キャラの持つイメージがかなり反映されるのでなおさらです。簡単に言えば「このキャラはこんな事言わない」とか。
そしてマイクロキャビンは、原作をうまく活かしたシナリオにして「楽しい」AVGを作る事に定評がありました。中でもこの「うる星やつら」と「めぞん一刻・完結編」はCGがかなり原作を再現している事もあり、特に評判がよかったのを覚えています。
しかし「うる星やつら」と「めぞん一刻・完結編」では、実は方向性が違います。それは何でしょう?
実は「めぞん一刻・完結編」の方が原作を極めて忠実になぞる(今で言うデジコミに近い感じ)のに対し、「うる星やつら」ではオリジナルのストーリーになっています。しかしそのオリジナルストーリーが、ちゃんと「うる星やつら」しているんです。オリジナルストーリーとはいっても、所々にコミック版でのエピソードがいろいろと盛り込まれているんですけどね。
今でこそうまく原作の雰囲気を持たせたAVG(デジコミ)はかなりありますが、この「うる星やつら」が出た時には衝撃だったのをよく覚えています。しかも、下手なAVGよりもメッセージの量が多いんですから・・・当時としてはかなりハイレベルな作りだったのは間違いありません。
もっとも、今では入手はほぼ不可能ですが。しかしこれが1987年の発売なんだよなぁ・・・
ちなみにマイクロキャビンは元々「は〜りぃふぉっくす」などのAVGで定評のあったソフトハウスです。ただ、「Xak(サーク)」を出してからはRPGしか出していないような気がしますが・・・(Winで復刻された「めぞん一刻・完結編」は新作じゃないので除外)。
先にも書きましたが、この「うる星やつら」の目的は迷宮をくぐり抜けて優勝し、了子ちゃんとステディな関係になることです。しかし迷宮は巨大なうえに仕掛けもいっぱいあり、さらに他の参加者たちもいっぱいいます。
という訳でライバルをどーにかして蹴落としたり、あるいは助けたりしながらアイテムを集めて、仕掛け(トラップ)をうまく避けていくのが基本ですが、さすがに一筋縄ではいきません。
例えばあるアイテムはいくつもの所で使えるけれど、時にはその使い方が致命的なミスになったり(ゲームオーバーになるしかない)して結構頭を悩ませてくれます。しかもいくつもの解き方が出来るところが結構あったりするのでもう大変・・・
ついでに言えば、一部のところは足を踏み入れただけで「ちゅど〜ん」
・・・という事でマッピングも必須になっています。でもそんなに難しいマップではないし、ラムちゃんに場所を聞けばスタート地点からの距離が聞けるので迷う事は少ないです。しかし現在の座標を教えてくれるAVGってこれぐらいのモンだろうなぁ・・・ちなみにマニュアルにマップがあったりするのでこれを参考にすれば簡単になる・・・かも。
他にもキャラがいつも同じところにいる訳ではない(ランダム)けど、通れるところが増えるとキャラが別のところでも出てくるようになったりといろいろ凝っていたりします(当時のAVGではこのようにキャラがいる位置が不定っていうAVGはあまりなかった)。もっとも、この事はいわゆる「早解き」には不利でもありますが、元々このゲームは早解きをメインにしていないので問題ではないでしょう。
さらにAVGによくある「そのコマンドはここでは使えません」は、「うる星やつら」の場合
「じゃかましーっ!!こんな変なコマンドがここで使えるわけないだっぴゃ。」
「変なコマンドを使おうとすると変なのが出てくるっちゃ」
と「変な宇宙人」が出てくるなど、細かいところでも「うる星やつら」の世界を壊さないようにしていたりしてるし、「うる星やつら」を知っていると楽しめる内容でした。
はい?「うる星やつら」を知らない人でも楽しめますかって?
・・・さすがに原作コミックを読んでからの方がいいと思います(苦笑)ま、こればっかりは仕方ないよね・・・AVGだし。
ちなみに一応マルチエンド・・・とはいても、直接はっきりした分岐がある訳ではないです。
基本的には「もたもたしてる」と絶対真のENDにならないってぐらい。
ま、何にしても・・・現在では入手はほぼ不可能なんですけど(苦笑)