この時点で既に、私は「YU−NO」の世界に引き込まれていた。
オープニングの時点でハマれるゲームなんて、そうお目にかかれるもんじゃない。「イース2」「ポリスノーツ」などもオープニングでハマったが、「YU−NO」と違う点が一つある。それは『文字(音声)が一切出ない』ということ。プレイヤーの想像力だけで勝負しているとも言える。「それでハマらせるんだから内容も凄かろう」という声が聞こえてきそうだが、はっきり言う。
「PC−98ユーザーは一回は『YU−NO』をやるべきだ!!(断言)」
それだけの価値はある。いや、PCユーザーだけが得られる特権であるHシーンを抜きにしても、プレイする価値はある。そこまで言うほど、このゲームにハマらせたのは何なのか。これから、それについて語りたい。なお、ストーリーには触れない。
その結果、分岐は山のようにある。が、これについてもちゃんとフォローはされていて、それがまたニクい演出になっている。
はっきりいって、A.D.M.S.については「百聞は一見にしかず」が一番合っていると思うのだが・・・(それじゃ、コレを書く意味がない?ごもっとも!)
また、基本となる話がそれぞれの時間軸となっているのだが、例えばAのシナリオで重要なイベントが、Bのシナリオでも「ちらっ」と出てきて思わず「ニヤリ」とさせられるといった要素も結構入っている。
とにかく、「YU−NO」の面白さの大半を占める部分はこの「A.D.M.S.」による物が大きい。そしてこれは、新しいAVGの形の予感ですらある。もちろん、素晴らしく完成度も高いシナリオもあってこそ活かされるシステムではあるのだが。その点でも、「YU−NO」は完成度がかなり高い。これほどの密度の濃いシナリオでありながら、ほとんどの視点から見ても破綻のないシナリオには脱帽である。
1.意外な所を「見る」しないと進めない所がある(初心者はつまりやすい)
2.一部キャラは不幸な終わりをする話しかない(汗)
3.人を選ぶシナリオが少々ある(これはあえて話さない。ネタバレなので)
4.最終シナリオに入れるようになる為にはA.D.M.Sを100%近くクリアしないといけない
もっとも、1は「慣れ」でしかない(ヒントもちゃんとある。一ヶ所を除いて)から問題ないと思う。2は・・・ネタバレなので詳しくは書かないが、お気に入りのキャラにはやっぱり、ハッピーな終わりを用意して欲しかった。(でも気にいっているんですよ、結構。)3は「自分で見ましょう」これ以上は言わない。
もっとも、これらは「他の人なら気になるかな?」と思った点で、私自身は全然気にしなかったのだが。4は、完全に「人それぞれ」ですね。私の場合はそれぞれのシナリオを少しずつクリアしていったので、最終シナリオに入るタイミングがうまくとれた(話がうまくつながった)けど。
でも、一つ言わせてもらうなら、最終シナリオは「全ての謎が解けるシナリオ」なのだから、主人公は「すべてを体験している」必要があるハズで、その意味では間違っていないと思うのだが。
やっと100%クリアした。「この世の果てで恋を唄う少女 YU−NO」というタイトルの真の意味は、100%クリア目前でわかるようになっている。だから、まだやっていない人は絶対やってみよう!まだクリアできていない人はがんばってクリアしょう!!それだけの価値は十二分にある!!
最後に、こんな素晴らしいゲームをデザインされた剣乃ゆきひろ氏と、素晴らしいシステムを実現させたエルフに感謝したい。このようなゲームがプレイできるのは幸せだ。
P.S. 結局、主人公のオヤジを殴れなかった(苦笑)