ZORK I
オリジナル:Infocom
PC−98版:システムソフト PS/SS版:翔泳社
テキストAVG
昔の海外産マシン(絶版)/PC−98(絶版)/PS/SS
ZORK I:The Great Underground Empire
☆ZORKの世界へようこそ!
このゲームはいわゆるコンピューターゲームにおける「古典」であり、すべてのAVGの始祖(正確には、「世界で一番最初に市販された」AVGである)なのです。そして、その奥深いZORKの世界は、今でもその世界に足を踏み入れる者を魅了してやまないのです。
ZORKは、いわゆるテキストAVGです。そして、プレイヤーは考えつく限りの事は大抵出来ます。例えば、鏡を割ろうが、ロウソクの火を消そうが、プレイヤーの思いのままに入力すれば、(それがあまりにも非常識な入力でない限りは)ZORKはその通りに振る舞ってくれます。しかし、間違えないで下さい。「自由」であるとはいっても、その行動の結果までは誰も面倒は見てくれません。その結果何回も生命を落とす事になるかもしれませんし、二度と取り返しのつかない結果になるかもしれません。そう、ZORKの中でのあなたの行動は全てあなたの責任なのです。
そして、この地底に作られた巨大な王国は、今では何があるかわからない廃墟として、あなたの前に現れます。その中に隠された秘宝を見事全部探し出して新たな世界への冒険に行くか、それとも廃墟の中で立ち往生するかはあなた次第なのです。
では、ZORKの世界をお楽しみください!
☆「自由」であることと、その代償
上で書いた文章は実は「ZORK」を立ち上げた時に見る事のできる文章のパロディなんですが、元の文章自体がかなりセンスのいい物なんです。テキストAVGであるからには必然的に文章を追う事になるので、普段から読む文章にも気を配って、飽きにくいようにしている訳です。しかも、これが出たのが10年以上も昔というのを考えると、もう驚嘆という他ありません。このセンスのよさが、「テキストAVGと言えばInfocom」、と言われた理由なんです。(もちろん、移植版の翻訳もかなり見事です)
しかも、何気なくちょっとしたイタズラをすると意外な返事がちゃんと返ってくるので「じゃ、これはどうだ?」とまたイタズラを仕掛けて・・・そうやって、ついついZORKの世界の中にいてしまう訳です。例えば、「叫ぶ」を入力すれば「うわぁぁぁぁぁぁ!」と返ってくるし、(既に開いているドアがある場面で)「ドアを開ける」と入力すれば、「目は大丈夫ですか?」と返してくるし・・・これだけでも結構な数のリアクションがあるのですが、逆に言えば本当は無くてもいいメッセージなのはわかるハズです。しかし、これらのメッセージがないと、いかにも「コンピューター」的な殺風景なAVGになってしまいます。つまり、ZORKは全体の雰囲気を大事にして、メッセージ1つ1つについても「冷たい」感じをさせないように気を配られているんです。
そして、基本的にプレイヤーに対する制限はほとんどありません。持ち物の制限というか、重量制限はありますが、それを増やすアイテムがちゃんとあります。そして、あらゆる仕掛けに対する答えも決して1つだけとは限りません。例外はありますが、大抵は他にも方法がある事が多いのです。その幅の広さは、逆に想像力の弱い人には向きません(つまり、マニュアル的な考えだけではクリアできない)。
しかし、想像力をこれだけ働かせてくれるAVGはまだ少ないです。最近のビュジアルで想像を膨らませるタイプのAVGに慣れた人には、新鮮に見える事でしょう。
そして、それを支えるのが先述のかなりの自由度です。例えば、気のきかないAVGだとランプに火をつけたいときには「ランプに火をともす」だけしか受け付けないけど、ZORKでは「ランプに火をともす」「ランプをともす」「ランプをつける」「マッチでランプに火をつける」など、これだけの入力を受け付けてくれます。その為、プレイヤーは「あれ、こんなのが出来ないのか?」などといった事に頭を使わずに「ここはこうで・・・」といった事に集中できるのです。
そして、何より「クリア」していく過程がとても楽しいのです。自分の考えがそのまま「ZORK」に反映されていき、自力で少しずつ宝物を見つけて行くのは、他のAVGでは得られない喜びがあります。
念のため。難易度はかなり高いですよ。運の要素もいくらか入ってるし。(こうしないと、答えがわかっている時つまらんからなぁ・・・)
☆ZORKをプレイしたいという人たちへ
現在、オリジナル版は入手不可能(まぁ、英語だからやりたがる人はいないだろう)
PC−98版も絶版。中古でも滅多に出てきません。
PS/SS版なら今でも売ってます。中古で1780円が相場かな。
ガイドブックは・・・見たことがない(出ているはずなんだけど、マイナーだから店も置かないみたい)
とりあえず、今プレイできる「ZORK」はPS/SS版だけ、と思って下さい。
☆ZORKの系譜
ZORK I〜III 最初のZORK。Iのみ日本語で移植されている。
BEYOND ZORK RPGの要素を(少しだけ)入れたZORK。
ZORK ZERO
グラフィックAVG。とはいってもCGはパズルとオートマップに使われている程度で、やっぱり「ZORK」。
ZORK QUEST コンピューター「コミック」ZORK。
ここまでのタイトルは入手は不可能です。移植もされていないし・・・
RETURN TO ZORK
ビュジアルバリバリのZORK。もはや「テキストAVG」ではない。あちこちに移植されているが、買わない方が・・・(死にまくりますし、攻略本は絶対に必要)
ZORK NEMESISS
なぜかACTIVISIONからの発売。RETURN〜の線で作られている。
ちなみにZORK Iのみ、インターネットでも入手可能なようです。(開発元のサイトにあるとか)
また、Infocom社のテキストAVGをまとめたセットも販売されています。ただしDOS/Vの知識及び英語力のない方にはおすすめできません。