「ジョジョの奇妙な冒険」
フランス語版

 あ、そうそう。今回は文字参照を使用しているので、古いブラウザなど一部のブラウザでは正確に表示出来ないかもしれませんが、ご容赦を。例えば「長音を示す記号付きのA(Â)」などいわゆるアクサンの物とかが多いので。

 第二部 第三部 第四部

 ちなみに英語版、フランス語版共にタイトルは「JOJO's BIZARRE ADVENTURE」。
 ちなみに「世界のジョジョ」で既にフランス語版の第三部の装丁などの紹介はされているので、ここでは別の視点から。

 例えば、スタープラチナの「オラオラ」は、実は英語版だと全部が「オラオラ(ORAORA)」になってる訳ではないです。
 例えば花京院との戦いのシメでの「オララララオラ裁くのは」「おれの『スタンド』だッー!!」(2コマに分かれているセリフなので念の為)は、英語版だと「I'LL TEACH YOU JUSTICE...」「...WITH MY STAND!!」になっています。
 これがフランス語版だと、忠実に「ORARARARAORA!! LE JUGMENT...」「C'EST MON « STAND » QUI VA LE RENDRE!!」となっています。また「灰の塔」での「オラオラ」もきっちり同じ(「オラ」が9回なので「ORA」もきっちり9回……)。ついでに、かけ声の途中や最後辺りの「オラーッ」などは「ORAA」になっています(スティーリー・ダン戦の結末などで「オラーッ」が確認出来るが、この部分はいずれも「ORAA」)。
 ま、英語版の細かい事はかざみさんに任せるとして(マテ)……
 余談ですが、これ以外の「オラオラ」はというと、序盤での「オラオラ」は実は「擬音」として描かれてる場面が多い為、もう少し話が進まないと確認しにくいです。特に、ここで取り上げる「オラオラ」は「セリフ・かけ声としてのオラオラ」なので……(というか、読み返してみるまで忘れてたけど、序盤では「擬音」メインだったんだねぇ…… >オラオラ)
 仏語版の場合、「擬音」の方のオラオラの場合は基本的に「ORAORAORA」になるよーで(セリフと違い、「オラァ」の「ORAH」などはないみたい……少なくとも花京院戦での擬音「オラオラオラララ」は「ORAORAORAORAORA」になっている)。
 ただ、英語版は「これから出る」(原稿を書いてる時点(2006/1)での話)のでまだいいけど、仏語版などは「前に出ている」ので微妙に入手しにくくなっています。イタリア語版はまだマシだけど(出版社通販という手がまだ「一応」ある……とはいえ、こっちはこっちで目的の巻を見つけにくいのが難点なんだけど)、仏語版に関してはかなり面倒(基本的に洋古書店を利用する事が前提っぽい感じになる為)。つー事で、あまり詳しくは見られないのですがご容赦を。
 これは仕方ないんだけどね…………第三部開始は、仏語版の場合2003年からなので、新品で入手するには少し遅い状況だし(新刊での在庫は、ネット書店だと第四部からがメインになっている)。

第二部

 とりあえず、順番に仏語版の12/13巻から。これは国内版と同様、第二部〜第三部の部分です。
 第二部のクライマックスでは「は」「もん?」「はもんしっそうだとォーッ!!」なカーズ様が印象的ですが(マテ)、これはどうなるかというと……

「PRENDS ÇA! OVERDRIVE ONDULATOIRE!」
「« ONDU.... »」
「« ....LATIRE? »」
「TU AS DIT « OVERDRIVE ONDULATOIRE ?! »」

 という訳で、こっちでは「くらえ!波紋疾走!」「は…」「…もん?」「波紋疾走だとォーッ!!」という事になりますな……ちなみに「波紋疾走」の部分は「波紋オバードライブ」とも読めます。
 ……いやぁ翻訳って大変だねぇ(苦笑)(というか、やっぱ「どっち」を翻訳するか迷ったんだろうなぁ……英語版とは大違いだ(苦笑))
 ――もっとも、仏語版でも第三部序盤ではもうあっさり「OVERDRIVE!」だけで済まされてますが(苦笑)
 ちなみに、「波紋」単体は「ONDE」とされています。これの形容詞が「ONDULATOIRE」(「波の、波状の」。例えばMouvement Ondulatoireで「波動」)なのです。
 あとついでに。国内版ではジョセフの墓が出てる訳ですが、このスペルは「JOSEF JOESTAR」ですね。仏語版でも墓のスペルは修正はされてないけど、横に「JOSEPH JOESTAR」と書いてあります(国内版では「(ジョセフ・ジョースター)」って書いてある部分の中がコレになっている)。
 ちなみに「ジョセフ」の表記はJosefでも(一応)間違いではないらしいです(ただし、(英語圏での)より自然な表記としてはJoseph、ということ)。
 ついでに確認したところ、画集「JOJO6251」の段階で「Joseph」になっています(これは第四部途中に出た物なので、その時点でジョセフのスペルが訂正されていると思われます)。余談ですが、第三部のエンヤの場面での宿帳は「JOSEF」。

 また、これは割と重要かもしれないけど……仏語版では、「第2部完」が綺麗さっぱり「抜けて」しまっています(苦笑)元々「第2部完」があった場所を消して、上から仏語訳を載せるつもりが忘れてしまったというオチだと思うけど……(苦笑)

第三部

 さていよいよ第三部。と言っても、序盤とディオ戦のしか買ってないので(元々そこにしか関心ないんだもん)、あまりネタはないかも。
 まず英語版では第一部から第二部が飛ばされている関係で文章が変更されている、ディオの棺が引き上げられる場面の「我われは…この箱に見覚えがある…」辺りはそのまま翻訳されています(まぁ、仏語版の場合1巻から順番に出てるので当然と言えば当然なんですが)。
 それ以外は基本的に国内版との(翻訳する上での)差異はあまりないし、ネタになる部分が意外と限られるんだよね(苦笑)
 気を取り直して、「悪霊 その正体!」からジョセフのセリフを。

「JÔTARÔ!
CE QUE TU PRENAIS POUR UN ESPRIT MALÉFIQUE EST UNE VISION DOUÉE DE PUISSANCE, CRÉÉE PAR TON ÉNERGIE VITALE!
COMME ELLE SE DRESSE AU CÔTÉ DE SON MAÎTRE, ON APPELLE CETTE VISION....
....STAND!」

 ――あれ?「そばに立つ」に「STAND BY ME」もしくは「stands next to you」など、「STAND」の由来がわかる言葉(英語)を使ってないのね……(って、国内版でも「そばに立つ」にSTAND BY MEは付いてないのか。スタンドの語源がSTAND BY MEなのが書かれたのは画集からだっけ?)

 それ以外では、「基本的にそのまま翻訳」なのでネタになる部分はあまりないなぁ……例えば「灰の塔」戦の前の花京院の「当て身」はそのまま「ATEMI」だし(英語版では「BACK TO SLEEP!(意訳:寝てろ)」というセリフに変更。BACKなのはジジイがそれまで寝ていたからですね)
 ちなみに作中で承太郎たちが書いたメモなどは、エンヤの時の宿帳はそのまま(つまり「Qtaro Kujo」のまま。何故これを確認したかはこのページの最後に書いておきました)。でもスティーリー・ダンの「つけ」の中身はフランス語に、「つけ」の明細の記述(署名)は「KÛJÔ JÔTARÔ」に書き換えられています。

 途中のセリフで特徴的な物は何かないかなーと思ったら、「やれやれだぜ」や「DEATH13」「ダービー・ザ・プレイヤー」があったんだった、と注文。んで確認したところ、こういう感じ。
 承太郎の「やれやれ」「やれやれだ…」は「DE MIEUX EN MIUEX...」。これは辞書を引くと、「ますますよく」「(反語的に)ますますひどく」という意味。敵や状況に対して言ってるので、当然後者の意味ですね。
 DEATH13の「ラリホー」は「LA-LEE-HOO」「LA-LEE-HOO!」。
 スティーリー・ダンのラストでの「お前の『スタンド』?」「お前?」、これは英語だと難しいかもね……(苦笑)フランス語では、「親しい度合いに応じた呼び方」があるので、もちろんそれに応じた書き方になっています――

J...J...JE NE PRÉPARAIS RIEN DU TOUT...!
LA FORCE DE TON « STAND »...
« TON » « STAND »?
« TON? »
N...NON!
LA...
LA PUISSANCE ET LA DROITURE DE VOTRE « STAND » NE CONNAISSENT PAS D'ÉGALES!

 基本的な事ですが、tonは「親しい間柄」での「あなたの」「君の」「おまえの」。逆にvotreは「あなたがたの」「あなた様の」という丁寧な「あなた」になります(「切符を拝見できますか」などはvotreを使います)。英語だとどちらも「yours」になるので、他の部分で工夫する事になるんでしょうね。さて英語版ではどうなるのかなぁ……
 お次は「ダービー・ザ・プレイヤー」から有名なセリフを。

Part1:
KAKYÔIN!
TU CONNAIS CE JEU PAR CŒUR, EN FAIT?!
JE N'AI PAS À TE REPONDRE.
Part2:
A...
AVEC LE DROIT...RAPIDE ET SANS DOULEUR. S'IL TE PLAÎT.
NO!NO!NO!NO!NO!
A...AVEC LE GAUCHE?
NO!NO!NO!NO!NO!
A...AVEC LES DEUUUUX...?!
YES!YES!YES!YES!
YES!
TU VAS FAIRE ORA ORA ?!
YES!YES!YES!"OH MY GOD!"

 ジョジョを見てる人ならまずわかるはずなので特に説明はしません。一応、「DROIT(右)」「GAUCHE(左)」「DEUX(2つ)」とだけ。ちなみに最後のジョセフのセリフの「オーマイガッ」に「!」が付いてるのがちょっとした違いというところですね。
 ここで気になるのはダービーの能力で見る時の「YES!YES!」がどうなるか(仏語になるかどうか)なのですが、答えは……見ての通り「そのまんま」でした(苦笑)いやいいけど。余談だけど、ダービーの「魂を賭ける」に対する「グッド」もそのまんま「GOOD.」です(苦笑)
 ダービーと言えば、戦う前のジョセフとのやり取りの「Exactly(そのとおりでございます)」は下に「(EXACTEMENT)」と書いています。

 肝心のディオ関連では、スタンド名や能力の「ザ・ワールド」はそのまんま「THE WORLD」。まぁ、固有名詞に関しては「そのまんま」になるのが普通だから当たり前と言えば当たり前。ただし、回のタイトルの「ディオの世界」は「LE MONDE DE DIO」になっています。(この巻の単行本がまだ届いてないので、この辺りは後で改めて追記します)

 追記:やっと「ディオの世界」他の2冊が届いたので、ディオ関連を追加しました。
 ちなみにフランス語版の場合、27巻はP193以降がごっぞり抜けていて、ディオと承太郎の能力比べの部分を参照する事が出来ません。向こうでの情報を見ても「全192ページ」となっている(ちなみに原本では203ページまで続く)ので、今回入手した物だけの問題ではないようです。ただし正常な物もあるようで(フランス語でのファンサイトの中にはこの部分のスキャンを載せている所もある)、少しややこしい事になってるみたいです。このせいかどうかは知りませんが、27/28巻は早いうちに絶版になってしまったようで(出版社の所にもこの巻だけ情報が置かれていない)、非常に入手しにくくなっています。(絶版はともかくページがごっぞり抜けてるのは向こうの人も怒ったんじゃなかろか……(汗))
 ともかく、ディオの巻は「LE MONDE DE DIO(ディオの世界)」〜「UN LONG PERIPLE ADIEU, LES AMIS(遥かなる旅路 さらば友よ)」の2冊。
 ディオの「無駄無駄」は…………これまた「そのまんま」で、「INUTILE INUTILE INUTILE INUTILE INUTILE INUTILE!」という感じになりこちらでは最後に「!」が付きますが、「回数」は基本的に同じです。「無駄無駄」を一番多く言ってる回はジョセフを倒す場面での16回ですが(意外かもしれないが、「能力比べ」で一番長いのは連続15回なので1回少ない)、ここでも回数は同じです。なおロードローラーの時の「無駄無駄」の最後などに出てくる「無駄ーッ!」は「INUTIIILE」と、途中を伸ばす感じになっています。
 余談だけど、イタリア語版でのジョルノの「無駄無駄」はかざみさんの記事を参照するとわかりますが、単語自体は同じなのですね。ただ表記が少し異なるのがおもしろいところです。
 ではこの巻からの特徴的なセリフをいくつか。……と、その前にコレがあったか。
 「ヌケサク」は「DEMEURÉ」です。意味?言うまでもない気が(苦笑)
 まず……今では「ポルナレフAA」でも有名になってしまった(苦笑)、「な……何を言っているのかわからねーと思うが〜」のセリフから(マテ)

V...VOUS DEVEZ VOUS DEMANDER CE QUE JE RACONTE, MAIS MOI NON PLUS, JE N'AI PAS COMPRIS CE QU'IL M'A FAIT...
J'AI BIEU CRU QUE J'ALLAIS DEVENIR FOU...CE N'EST CLAIREMENT PAS DE LA POUDRE AUX YEUX, COMME DE L'HYPNOSE OU DE LA VITESSE.
J'AI SENTI QUE ÇA CACHAIT QUELQUE CHOSE DE BIEN PLUS TERRIBLE...

 HTMLでは再現が少し難しいのでここでは全て普通の字体にしてますが、原本では「な……何を〜」の前半には「・」(強調の為の点ね)を付けている部分がありますが、この部分は仏語では字体を変更&やや斜体にする事で表現しています。
 念の為、「HYPNOSE」が「催眠(術)」、「VITESSE」が「スピード」(「超スピード」じゃないのね)。

 「同じタイプのスタンドッ!」は次のようになります。

DES STANDS DU MÊME TYPE!
«THE WORLD» ET «STAR PLATINUM» SONT DES STANDS DU MÊME TYPE!

 ちなみに「『世界』ッ!止まれいッ!時よッ!」「時よ止まれ!『世界』!」は順番が少し違うだけでほぼ同じなので片方だけ。後者の時は「TEMPS, ARR〜」になります。

«THE WORLD»!
ARRÊTE-TOI! TEMPS!
COMME ON DIT AUX ÉCHECS ET AUX SHÔGI, TU ES «ÉCHEC ET MAT»!

 これは「きさまはチェスや将棋でいう『詰み』にはまったのだッ!」。
 仏語では「チェス」がÉCHECSになります(正確にはÉCHECの複数形が「チェス」。単数形の場合は「失敗」、もしくは「王手」を意味する単語になる)。そして"Échec et mat"で「これで詰みだ」となります(ちなみに「王手だ!」は"Échec ou roi!"なので注意)。

LE TEMPS REPREND SON COURS!

 「時は動き出す!」。第三部クライマックスでの承太郎のセリフも同様のもの。
 仏語を直訳した場合、「時の流れは再び動き出す」になるんだろうか(coursは「(物の)流れ」を意味する言葉)。
 ちなみに前にも書いたように、第四部での「時は動き出す」とは違います。(第四部についての記述を参照のこと)

C'EST CE QU'ON APPELLE PLANER COMPLÈTEMENT!

 「最高に『ハイ!』ってやつだ」ですね。
 PLANERは手持ちの辞書だと「(麻薬などで)トリップする」の意味もあるとのこと。英語にすると「to be high」の意味もあるそうです。つまりここで言う「ハイ!」は「ラリってハイになってる」の意味を持ってきてる訳で。

 最後は当然、コレでしょう。「てめーの敗因は……」から

TU AS PERDU...
POUR UNE SEULE RAISON...
...DIO...
UNE SEULE RAISON, TRÈS SIMPLE...
« TU M'AS MIS EN COLÈRE. »

 ちなみに「simple」は表記と意味は英語と同じですが、発音は違いますので念の為(このように仏語と英語は「同じ意味・表記だけど発音は違う」単語が結構ある。「ジョジョ」の題名も英語と仏語では表記は同じだけど、読みは異なります)。

第四部

 仏語版の第四部は44巻「Mon papa n'est pas mon papa(ぼくのパパはパパじゃない)」と46巻「INDESTRUCTIBLE CRAZY DIAMOND(クレイジーダイヤモンドは砕けない)」を購入。やっぱり川尻早人関連とクライマックスが一番おもしろいんで……

 早速仗助のかけ声から――やっぱコレが一番気になるでしょ?(笑)
 「どらららららら〜!!」は「DORARARARARARAH!!」、吉良吉影戦での「ドラァァ!」は「DORAAAH!」。ついでに、吉良吉影に最後に叩き込んだ時のスタープラチナのかけ声は「ORAORAORAORAORAORAORAORAORAORAORAORAAAH!」。まんまですな(笑)もちろん、こっちも「回数」は同じです。
 ちなみに承太郎の「スタープラチナ・ザ・ワールド」は「STAR PLATINUM! THE WORLD!」と、2つの名を続けて言う形になっています。向こうでは「まとめて1つのセリフ(名前)」と認識してないって事かな?(もしくは「ザ・ワールド」で「時間を止める」だと解釈してる?)
 「そして時は動き出す」は「RELÂCHE LE TEMPS, STAR PLATINUM.」で、これは少し違うね。仮に翻訳すると「スタープラチナ、(止まった)時を解放しろ」という感じになります。

 あとエコーズのセリフは、「ACT 3! FREEZE!!」「S.H.I.T.(正確には国内版では「S.H.I.T」で最後のピリオドはない――が、まぁ細かい事だろう)」がそのままで、それ以外は当然フランス語。ただし「エニグマ」戦の終盤での「LET's KILL DA HO!」のような例外もありますが(多分小さいセリフなので無理に修正せずにそのままにしてるんだと思う)。
 ちなみに第四部クライマックスは、国内版だと46巻と47巻にまたがってるのですが――これが、フランス語版では「クレイジー・Dは砕けない」〜「さよなら杜王町―黄金の心」までの収録になっています(つまり第四部最終話まで収録)。おかげでかなりの厚さ。
 これは恐らくですが(だって、現時点でまだ出てないので判断出来ないもん)、第五部が国内版同様「GIOGIO」にするから……なのかな?どっちにしろ現時点ではまだ出てないので判断出来ませんが。もう1つの可能性としては、第五部は「出さない」……とか?(それはないだろうけど)
 ま、どっちにしろ読者には親切になってるのは確かかな。今までだと第三部だけだったし、「単行本の切れ目で綺麗に終わる」のって(ちなみに第二部と第三部の間はフランス語版も国内版と同様)。

 興味深い表現というと、「エニグマの少年」のクライマックスでのセリフかな。
 国内版のセリフは各自で参照してもらうとして、特徴的な部分は()内にて和訳(ただしあまり信用しないよーに)を入れておきます。

Part1:
C'EST MARRANT. JE VIENS DE REMARQUER QUELQUE CHOSE EN T'OBSERVANT...
(面白いな。お前を見て気付いた事がある……)
QUAND TU AS PEUR, TU PLISSES UN ŒIL. PAS VRAI...?
(おめーが怖い時には片目にしわが寄るよな。そうだろ……?)
HM?
(ン?)
C'EST UNE SORTE DE TIC NERVEUX, NON?
(それは一種の感情によるクセだよな?)
...
(……)
ES QUAND FLIPPES VRAIMENT...
(さらに本当に怖い時には…)
TU PLISSES LES DEUX!
(両目ともしわが寄る!)
J'AI GAGNÉ: À MON TOUR DE FAIRE DES PLIAGES!
(勝った!今度はおれが折り畳む番だ!)

 少しやりにくいんだけど、「目にしわが寄る」という表現が日本語の「目をつぶる」に対応してる感じ。
 また、「今度は〜」の部分は、pliageを調べると「[製本]紙折り、折り」という意味も持っています。エニグマにされた「(紙にして)折り畳まれた」事と、この後に仗助が「本にする」のを一緒に含ませてると思うけど、ニュアンス的には「これからお前にやられた事をそっくりお返ししてやる」という状況なので「折り畳む」にしています。念の為。

Part2:
TU AIMES ÉPIER LES GENS, MON?
(おめー、人を観察しているのが好きなんだろ?)
TU VAS POUVOIR T'EN DONNER À CŒUR JOIE.
(なら観察を楽しめよ、気のすむまで)
ET DANS LE CALME.
(静かによー。)

 次に、第四部のクライマックスから、吉良吉影との最後の戦闘。

EMPÊCHEZ-LE D'APPUYER SUR LE DÉTONATEUR!
(爆弾のスイッチを押させるなーッ!)
VOICI LA LIMITE! APPUIE!
(これが限界だ!押すぞッ!)
MAINTENANT!
(今だッ!)
STONK
ACT 3! FREEZE!!
JE SUIS PAR, VENU À CINQ MÈTRES! IL EST DANS MON RAYON D'ACTION! S.H.I.T.
(5メートル到達!射程距離に入りました!S.H.I.T.)
QU...
VERMINES!!
(このクソ虫どもがーッ!)
STAR PLUTINUM!THE WORLD!
KOUICH...
TU ES VRAIMENT QUELQU'UN SUR QUI ON PEUT COMPTER.
(君は本当に頼もしい人だ)
JE SUIS HEUREUX D'ÊTRE VENU DANS CETTE VILLE ET TA CONNAISSANCE...
(この町に来て君と知り合えて本当に嬉しいよ……)
PARFAIT. ALLONS-Y...
(よし(、間に合ったぜ)、さて…)
AU TRAVAIL.
(こいつをやっつけるか)
ORAORAORAORAORAORAORAORAORAORAORAORAAAH!
RELÂCHE LE TEMPS, STAR PLATINUM.

 補足として。途中のSTONKは「ズン」の擬音(珍しく擬音が振ってある←第四部では擬音は基本的に国内版そのままで、仏語を追加する事があまりない)。
 また「AU TRAVAIL.」は本当は「仕事を始めるぞ」「作業を開始するぞ」などハッパをかけたりする感じの言葉らしいです(「さあやるぞ」とか)。なので、少々翻訳しにくいけど、とりあえずここでは「こいつをやっつけるか」にしてます。この場面はまさに「これから倒す」場面だし。
 あとこれは私には判断しにくい(なにせ初心者ですから)事だけど、エコーズのセリフの途中にある「〜PAR, VENU〜」は、実際には「〜PARVENU〜」だと思われます。というのは、かざみさんに聞いたところこれだとおかしい(Parは前置詞なのでこういう形では出てこない)のと、parvenirという単語があり(parvenuはこの過去分詞形)、これは「到達する」の意味。この事から考えて「,」が途中にあるのは誤植かもしれない、とのこと。ただしあくまで辞書でわかる範囲での話であって、「あっち(もちろんフランス)」では実際にそういう表現(新しい表現)があるのかもしれないが、そこまでは調べられませんですハイ。一応引用の方では単行本そのままにしてますが……(わかる人、情報求む)。

 余談だけど、フランス語版の表紙でのサブタイトル表記は少々変わってたり。
 基本的には国内版と同じ内容の文章(「クレイジーダイヤモンドは砕けない」とかね)なんだけど、一部は省略になってたりする……例えば「エニグマは謎だ!」は仏語版では「ENIGMA」ただそれだけになってたり、とか。
 かと思えば、「ジャンケン小僧がやって来る!」は「PIERRE,CISEAUX,PAPIER」になってるし(わかると思うけど「石、ハサミ、紙」。いわゆる「グー・チョキ・パー」ですな)、「猫は吉良吉影が好き」は「British Blue」になってるし……後者は猫の種類がブリティッシュ・ブルー種だからですね。

 余談ついでに、紹介。
 2chでは
 「海外のジョジョスレを翻訳してみるスレ」
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1107251365/
 (注:コレを書いてる時点ではまだあったのですが、その後次スレになっています)
 という素晴らしいスレがあって、ここの490によると

 イタリア版の根掘り葉掘りは「麦わらの山の中で針を探す」っつう
 向こうの慣用句に置き換えてるみたい。
 ここで根掘り葉掘りとベネツィアの伊版台詞が読めるよ。
 http://www.jojoxserie.net/5serie/ighiaccio.html

 だそうです。
 (って事を書いてたんだけど、仏語版「ディオの世界」が届くのが遅いんで、かざみさんに先を越された…………(苦笑)まぁいいか。←元々「ディオの世界」が届いてからこの記事を公開しようと思ってたのだけど(苦笑))

 はー疲れた…………(苦笑)

 最後に、第三部と第四部の登場人物の表記はイタリア語版、英語版、フランス語版では若干異なる部分があるのでそれを書いておきましょう。
 英語版についてはかざみさんが書いてくれてるので、それと違う物を……
 まずフランス語版ではアヴドゥルのスペルが異なっていて、「MOHAMMANDO AVDOL」(英語版だとMOHAMMEDO)。またスージーQは「SUZI Q」。ホリィのスペルは国内版と同様「HOLY」。ただし、44巻に登場する人物相関図では「Holly」になっていますが。また承太郎たち日本人のスペルは「KÛJÔ JÔTARÔ」と日本語読みの順通りになっています(まぁ、最近は日本人の名前も「性→名」の順にするって聞いてたけど……)。
 当然ですが、スタンド名は全て「英語そのまま」の物です(元が音楽ネタなので、それに準した名前の為、英語で書かれていて当たり前なのですが)。例外はジャンケン小僧のスタンド「ボーイ・II・MAN」が「BOY TO MAN」となっている事ですか(ただし、44巻の人物相関図での表記で、実際の作中ではどうなのかはわかりませんので、念の為)。
 ちなみにポルナレフのスペルは英語版同様。
 余談ながら、私が持っているイタリア語版は「ストーンオーシャン」の1冊だけですが、こっちでは「JOTARO KUJO」と旧来通りの表記ですね。ちなみに手持ちのは2000年発行の巻。英語版もこちらの表記です。
 まとめると、仏語版での表記は次の通りになります。ついでに第二部の柱の男たちの名も。

 Special thanks:かざみさん(いろいろ助言をいただきました)
Last Update:03/08/2006 12:42

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うしとら
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