きまぐれオレンジロード
フランス語版

 「きまぐれオレンジロード」のフランス語版を入手したので、国内版との比較をしてみました。
 基本的に左がフランス語版、右が国内版です。
 ちなみにフランス語版で結構目立つ「ATTENTION À CES DEUX-LÀ!」は国内版の「危険なふたり!」をそのまま直訳したもの。

 追記:ちなみに出版はJ'ai lu社。ただしWebサイトにはきまオレの単行本の情報はほとんどありませんので念の為。
 また、単行本(マンガ版)での正式タイトルは「Les Tribulations de Orange Road」で、小さく書かれている「MAX et Compagnie」は直訳すると「マックスと仲間たち」となり、これは昔にフランスでTVシリーズを放送した時のタイトルです。つまりこうする事で「これは『MAX〜』の原作だよ」という事を知らせてる訳ですね。こういう方法は、他には「めぞん一刻」なども使っています(これらも昔フランスでTV放送した時には別の題名が付けられていた)。
 また、2006年になって改めて調べてみたところ、2006年現在ではアニメ版も「Kimagure Orange Road」の題が定着したようで、店などによっては「Kimagure Orange Road(MAX et Compagnie)」と表記している場合もあります(Webサイトによっては相変わらず「MAX et Compagnie」だけの所もあるが)。

表紙

 言語以外はオリジナルのデザイン(装丁)を踏襲していることがわかりますね。上部の「線」までもほぼ一緒(笑)
 ただ、イラストとロゴの前後関係がちょっと違います(まどかの髪の部分に注意)。
 大きさはフランス語版が「ちょびっ」と大きいんですが、その差がデジカメではうまく撮れませんでした。

裏表紙
価格表示部

 ユーロに切り替わる時期だったので、価格表示はどうなっているかと思ったらシールでした。
 下にあるフラン表示はこの先消えていくんでしょうね。
 ついでにこの本が流通出来る国名も確認出来ますね。
 追加:このシールは共通という訳ではなく、当然お店によって異なります。例えば、後で通販で購入した巻では通販番号だけが振られたバーコードシールでした。また、店によってはそもそもシールも何も貼ってない状態の場合もあります。

カバーを外した状態

 カバーを外すと……イラストの位置など若干違うけど、基本的に国内版と同じイメージ。
 上部の「線」の位置までほぼ一緒……(笑)

 フランス語版では背にもサブタイトル表示が……
 ちなみにカバーを外した状態もフランス語版ではサブタイトル表示があります。

 国内版のは撮影していないので、自分で見比べてください。
 右に書かれているのは主に著作権表示(国内版の発行年と著作者、フランス語版の発行年と著作者など)。
 左のイラストは国内版と同じ物だけど、実は大きさが違っています(国内版は1ページの大半に広がっている)。
 登場人物紹介のページは、言語以外は国内版とまったく同一なので撮影してません。

目次

 国内版は撮影してないので、自分で見比べてください。
 バス停の看板の「きまぐれ」の文字は書き換えているのに、なぜか「オレンジ★ロード」はそのまま。手間がかかるからかな?その割には巻数を示す「12」の字体が違うけど。
 それぞれの回のタイトルは基本的にそのまま直訳なので、文法を知らなくても仏辞書を引けばどの話かはすぐわかるはず(まぁ、国内版をそのまま見てもいいけど)。
 ちなみに収録されている回の数はまったく同一。実はそれぞれの回が始まるページもまったく同一だったり(笑)

 追記:全巻揃ったので、いくつか読んでみたところ、それぞれの回のタイトルは国内版の直訳の場合もあれば、省略してる物(例:単行本4巻の最初の話「ビートで嫉妬!」は仏語版では「JALOUSIE!」だけになってる、など)も結構あるようです。また後述しますが、仏語版では見開きの扉がカットされてる事が多く、その為に目次で示されるページ数が変更になっている巻もあります。

コマの拡大部分

 ちょっとわかりにくいですが、コマの四隅のどこかに番号が振ってあります。
 ただし一番左のコマには番号が振られていません。これは左ページの最後のコマで必然的に最後のコマになる為、番号が振られていないようです。これは全ページ共通。
 追加:書き忘れていたけど、本の開き方及びコマの並び(順序)は国内版と同じです。

 マンガの内容は……基本的には、描き文字はそのままで、その近くにフランス語での「音」を加えてます。
 でも小さなセリフ(例えば小さく「きゃぁ〜」と描かれてるトコとか)は消して「翻訳」に置き換えていたりします。
 その他、ひかるちゃんが恭介を呼ぶ時の「せんぱ〜い!」は全て「KYOSUKE!」になってます。でも「凶相・恭ちゃん!」でのさゆりの後輩が呼ぶ「せんぱ〜い!」はそのまま「SENPAI!!」になっていて、欄外で「SENPAI(フランス語で「先輩とはどーのこーの」という記述)」と書かれています。それだけならネタにはしないんですが、ここではなぜか「KOHAI」の説明も……(苦笑)ついでに「SENPAI」の記述も何故か長いです(全文読んでる訳ではないけど、普通に説明するよりも長いよーな……)。
 また、「ハプニング・キッス」の、小学生のころのまどかが麦わら帽子を買ってもらうシーンでの「釣りキチ三平!!まるっきり男の子!」のセリフは「まるっきり釣りキチ三平!」の部分だけをフランス語に置き換えてるみたいです(笑)で、欄外に「SANPEI:TVシリーズのヒーロー(うんたらかんたら)」と……(苦笑)
 要するに基本的に直訳なんですねぇ。国内版で「サンキュー」「ラッキー」だと、そのまんま「Thank you」「Lucky」って書いてるし(苦笑)ま、この程度なら混じっていても読めるとは思うけど……

 あとちょっとした変更としては、「見せちゃだめだめメッセージ!」での「ラフ アンド レディ」と「ラブ アンド レディ」は「Lavand Lady」と「Love and Lady」になっていたり(く、苦しい……どーゆー意味か調べればわかると思います(苦笑))。でも小松がその手紙を見せる時の文章が「変更前」なのはどーゆー事なのかつっこみたい(苦笑)国内版を見てるとわかるけど、「変更後」の文章でないと意味がないんですけど。

 追加:さらに読み比べてみると、フランス語版の初期の方では、見開きになっている扉の多くがカットされてるようです。例えば「ルージュの伝言!の巻」などの見開きページがフランス語版には入っていません。もちろん、最終回の見開きはさすがに収録してますが(というかコレが入ってなかったら締まらないしなぁ……)。
 こうなっている回のタイトル表示はもちろん変更になっていて、どこか余白の多いページにタイトルを入れるようになってます。また見開きではないけど、一部の回の扉もカットされてたりします(この場合は最初のページの上にその回のタイトルを入れたりしてます)。
 っても実物を見てないとイメージしにくいと思うけど……例えば「ルージュの伝言」の場合はまどかが鏡台に向かっている場面の見開きが入ってなくて、その前後のページがそのまま続いている感じになります。
 他にも、初期の巻は登場人物紹介のページがなかったり(フランス語版では10巻から登場人物紹介も収録)するなど、細かい違いがありますが……この為、目次に記載されているページ数も初期(9巻まで)は国内版と異なります。ただ、手持ちの13巻では登場人物紹介がなかったりするけど。
 これは途中から「なるだけ国内版同様にする」という方針になったんだと思うけど、さてどうだろ。

 その他、表紙は先にも書いたように国内版に準じていますが、一部異なる物もあります。
 1巻:エメラルドグリーンっぽい色の部分(背景とまどかの服の一部)→水色になっている
 2巻:背景にちょっとした模様がある→ない(白一色)これは原画集でも同じなので、単行本が特別なんだと思う(連載時どう使われていたかは知らない)
 3巻:国内版より多少原画に近い(色などが国内版に比べて多少はっきりしている)
 9巻:泡がありません(原画集でも泡はないけど)
 基本的には国内版の方が表紙は綺麗なんだけど、3巻だけはこっちの方が綺麗です。珍しいですが。
 他の巻は国内版よりちょっとボケた感じだったり全体の色の明るさがちょっと暗いんですよ。

 入手方法……やっぱりフランス語の本を扱ってるWebサイトを探すしかないでしょう。基本的にフランス語でのやり取りになると思われるんで、フランス語がわかる知人に手伝ってもらうとか、日仏辞書を買って自力でやるとか……どっちにしてもあまりお薦めはしませんが(苦笑)カードも必要になる場合が大半ですし。
 あるいはフランスに旅行の予定がある知人・友人に頼むとか、自分でフランスに行く(爆)とか。
#え?私?「ネタ」として買ったんですってば。
#もちろん通販がメインですが
 でも全巻はまず揃わないと思います(私も全巻持っていません。一応13冊あるんだけど)。特に最終巻付近はほとんどの店でも絶版扱いなので、まず無理だと思われます(私も最終巻は欲しいんだが……)。
 ま、フランス語版をわざわざ「ネタ」の為に買うバカは私だけで充分だと思います(苦笑)他の方はぐれぐれも早まらないように……(基本的に国内版とあまり変わらないからねぇ……フランス語の教材として適切とも思えないし)

 追記:上記の情報は2002年当時の話で、2006年現在では、大半の巻が入手困難になっています。わかりやすい基準は「スケベな表紙は品切れ」(苦笑)また最終巻付近も品切れが多いです。
 ま、「スケベ(略)」はともかく他の巻が入手困難なのは仕方ないですね。そもそも出版が1998〜1999年なので結構古い品になってますし。
 一応、「根性」と「根気」と「金」さえあれば全巻揃える事は不可能ではないですが、かなり厳しいです(私も2002年に13冊、その後数年かかって2006年にようやく全巻揃ったぐらいなので)。特に「スケベ(略)」な巻の入手はかなり難しいです(そのせいか、一部の場所ではやたら足元を見た値段になってる事もあります)。

Special Thanks:かざみさん(情報をありがとう)

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