うしとらのたわごと 2012年8月


新編で再登場

 国書刊行会の「新編 バベルの図書館」の1巻が出たので、内容見本パンフレット目当てで直接注文(一応発売日の翌日に神保町に行ってみたんだけどパンフが見つからなかったので)。
 届いた本とパンフを早速確認。パンフの方はどっちかというと各巻の著者説明がどんな感じなのかなと(特にダンセイニ)思ってたから確認出来て嬉しい。
 本の方は、なるほど旧版を合本しただけでなく表紙の絵も入ってるのね。流石に白黒だけど、昔の広告も白黒だし、元々は色を塗ってないと思われるからいいか。(「元々は色を塗ってないと思う」の根拠は「でなきゃ各国語版の表紙の絵が色違いになってないし」……いやまあこの辺は関係者でないと真相はわからないけど。)

 うん、まあダンセイニが入っている3巻「イギリス編2」は買うつもりだが、さて。ちなみに全巻は流石にパス。旧版でも全巻揃えてる古本屋で見る度に「うっ」(置けるスペースないなぁ、と実感)と思ってしまう物だし。

洋古書を次々と

 洋古書を次々に注文。(あ、「次々に」は前に書いたの「五十一話集」に続いて次々にって意味なので念の為。というか「たわごと」書くのサボってたから……(汗)))
 まずアーサー・C・クラークの「Greetings, Carbon-Based Bipeds!: Collected Essays 1934-1998」。
 これは中村融さんのBlog「SFスキャナー・ダークリー」で紹介されてた本なのです。ダンセイニに関する記述もあるという話だったので、「楽園の日々」のようにダンセイニの記述があるならと注文したのです。
 最初は折角だから新品で買えるなら買おうかな、と思って検索してみたら妙にプレミア価格というか定価の4.5倍以上の値段にされてて(ちなみにハードカバー版は新品ですら定価より安いというか1桁台…この差も何だかなぁと思うが)アホかと思って、素直に古本の方を購入。ちなみに古本の方だと高くても定価辺り、というのが何とも……
 まあそれはさておき、届いた物を見てびっくり。ちょっとした辞書みたいに厚くて大きくて、一瞬ちょっと後悔。うーむ、ダンセイニに関する記述どこを探そう?(汗)と思ってしまったもので。
 結局は、幸いにも索引が付いてたのでそれを元にダンセイニに関する記述をざっと流し読み。
 まず、最初の章がいきなり「Dunsany, Lord of Fantasy」で、当然ダンセイニについて書かれたもので6ページ。そして初っ端からダンセイニ城での話(つまり「魔法使いの弟子」のラストの書き換えのエピソード)を披露してて「あ、こっちでもこの話を出してるのか」と思ったり(「楽園の日々」にもこの話が出てます。余談だけど、この記述等をきっかけに「魔法使いの弟子」の書き換えの時期を調べた事があって、その事は同人誌「PEGANA LOST Vol.13」に書いてたりするので興味のある方はどうぞ……と書いてみる)
 他の部分では、「白鹿亭綺譚」とジョーキンズの関係、HPLやCASと並べての話、ぐらいだなぁ。(ちなみに後者はアーカムハウスの話も少々絡んでます。あとこの本でのHPLへの言及はここだけ)
 うんまあ、今度「楽園の日々」の記事と比較してみようかな、という事で積ん読に(おい)

 お次は、ダンセイニの「A Dreamer's Tales and Other Stories」、1917年の物。 これはHPLの蔵書目録にも名が出てる物で、洋古書検索してたら「ダンセイニの直筆サイン入り」として出てたので、値段もかなり安いし試しに注文してみたんですね。
 届いた物を見てびっくり。うう、表紙に凄い汚れが付いてる……(汗)幸い中には汚れはないっぽいけど。
 落ち着いて本を観察。うん、表紙は紙そのままじゃないな(多分革。辞書なんかで使うような感じのヤツ)。そして汚れはどうも泥か何かが付いたままそのまま放置しっ放し、という感じ(ちょっと触ると汚れが若干落ちる)。
 という事は汚れは落とせそうだなと思い、タオルを濡らして絞って、軽く汚れの所をこすってみる。うん、やっぱり落ちるな。そして汚れをある程度取って、今度はエタノールで消毒。流石に色が若干落ちちゃうけど、消毒しないと怖いし、色が落ちるのは我慢。

 とまあ作業して、しばらく乾燥させた後中を若干確認。
 確かにサインは入ってるけど、青インクの万年筆で書かれた物。で、終わりの部分でペン先が引っかかったっぽくて紙を破ってしまってて、その部分が次のページにも出てしまってたり。
 うんまあ、でも確かに直筆なんだな。多分アメリカ講演の時のだろうね(確かにこういう場でのサインにまで鵞ペンを使うというのは厳しいだろうし)。
 収録作品は、「A Dreamer's Tales」と「The Sword of Welleran」の全部を収録してました。また冒頭にはJohn W.Luce社から6冊出ていますという旨の告知が載っています。
 とりあえずこれ1冊でどんな感じの本かはわかったので、同じ出版社の他の物は買わなくていいや。

 他には、Twitterで未谷さんから情報が出てきた「Lost Tales Vol.1」。これはダンセイニの単行本未収録の物をまとめた物で、届いたのを見てびっくり。うわ、本当に手作りの本だ……(汗)なるほどそれで発行数が128冊と少ないのか。


英語は難しいなぁ

 英語ってやっぱ難しいなぁ。
 いや「足穂拾遺物語」にダンセイニの「五十一話集」の「霧」の訳があって、その解説に「最後の夢の物語」の安野訳ではprophetが詩人になっている(足穂訳は預言者)、と指摘があるのですね。
 で、気になって原書の米国版で1915/1917/1920年のを入手して、確認してみたら確かにどれもprophet。ううむ……と思って、そいやこないだ新英和大辞典入手してたから見てみようと検索。すると6番目に「(霊感を受けた)詩人、先見者、先覚者」…なるほど(汗)
 ちなみにリーダーズ英和辞典の方でも同じ意味は出てるが、「預言者」と一緒にされてるので若干違いがわかりにくい。何にせよ、そういう訳でprophetを詩人と訳しても「間違いではない」という……(つかそういう意味もあったのか(汗))

 ……今回のオチ。つまり「五十一話集」原書が英米合わせて6冊あるんですがどうしてくれよう。(いや自業自得だろ)
 ちなみに「Food of Death」は前に入手済み(注:後年のペーパーバック版五十一話集)なので、S.T.ヨシのダンセイニ書誌によるとあと米国版1冊と「Food of Death」のもう1つの版で「五十一話集」は全部との事です。……買わないよ?(汗)
 ちなみに米国版のLittle Brown社版は1917年と1920年とで本の作りが違うのね(表紙の布が違う物になってる。1920年のは塗料を塗ってあるのかつるつるした手触りになってます)。


もうコミケ後か……(汗)

 気付けばもうコミケも過ぎてるのに「たわごと」書いてなくてびっくり(サボりすぎたー!)。
 いや一応ちびちびと読んだりはしてるんだが、結局家では「那由多の軌跡」をちびちびと遊んでWWWぐるぐるが中心になっちゃって……という感じで、書くような事があまりなかったからってのもあるんだけど。
 という事で近況をちょっとまとめてみる。(いや何してたっけ?と自分でも思ったからなぁ……(汗))

 少し前から謎の頭脳作業。詳細はまだ書けないけど。一応作業自体は一通り終わったので後はまとめて文章書くだけ。……書く「だけ」…………だよな一応?(汗)
 で、その関連で電子辞書というか、EPWING環境をちょっと強化。今までは「リーダーズ英和辞典第2版」と「広辞苑 第5版」、あと電子辞書(あ、PCじゃない方ね)で「OALD 7th」と「ジーニアス英和辞典 第4版」を主に使ってたけど、英和大辞典もちょっと欲しいなぁと思って調べてみたら、EPWINGでも研究社の「新英和大辞典 第6版」もEPWINGで出てる事がわかったので購入。
 そういえばオックスフォードやコウビルドもEPWINGにする方法あるのかなと思って検索してみたけど、いずれも学習用の物が対象なのね(いやまあ流石にOEDは無理だけど、金額的にも←ちなみに現在の最新版で3万ぐらいだそうで。前は10万ぐらいだったらしいから一応安くはなってるのか……(汗))。うーん、まあOALDでもEPWINGにすれば検索環境がそれなりに強化されるけど……まあそのうち(というか暑いし……←暑いとどうしてもヘタレになるなぁ)
 まあそんな訳で英語の検索がいくらかはしやすくなった。……「使う機会」どれだけあるのかってツッコミはナシで(汗)
 ちなみにEPWINGで揃えてるのは、EPWINGだと検索ソフトなども色々選択肢があるし、PCを変えてもデータを移動させるだけで済むから、ってのが主な理由。
 あと電子辞書(PCじゃない方)も検索してみたら、ODEなど英英辞典も多数含む機種で、EX-word XD-D10000が約35000円辺り、XD-D9800が3万ぐらいなのでちょっと悩む。理由は価格もそうだけど「結局そんなに使う機会がない」から、だしなぁ……あと物理的に(置き場とか。PC上で出来るなら関係ないんだけどねぇ)。

 そしてゲームは結局「那由多の軌跡」をちびちびと遊ぶだけになってたり。いやまあ「悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印」の2周目とアルバスモードはというと、前者はともかく後者は「このバカ弟子がぁ!」で詰んでるので……(体育会系モードの方が強いってちょっと待ておい)

 本の方も少しは読んでて、「クトゥルフ神話への招待 遊星からの物体X」などを消化。
 この本はラムジー・キャンベルの諸作品と「遊星からの物体X」、「クトゥルーの呼び声」を収録してるけど、実質お目当ては「物体X」とラムジー・キャンベル作品だったり。特に以前に話には聞いてたけど翻訳出ないかなーと思ってた「ヴェールを破るもの」が読めたのが嬉しい。
 「物体X」の方は、映画2作を見た事はあったけど、原作を読んでちょっとびっくり。というのも、「え?こっちだとテレパシーみたいなのもあるのか!」だったもんで。


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