スウォーズマン

女神伝説の章

監督:ツイ・ハーク 主演:ブリジット・リン


笑倣紅湖2 東方不敗

絶世の美女は男性

 この映画の物語はあまり覚えていない(汗)ので、とりあえず・・・。
 広告などでも出ていましたが、この映画の主役はブリジット・リン演じる東方不敗に見えると思います。実際にはリー・リン・チェイ演じる若い剣士が主人公なんですけど、ブリジット・リン演じる「東方不敗」に完全に食われていますねぇ・・・。実際、東方不敗と若い剣士を軸にして物語が展開するので主役は2人といっても間違いではないんですけどね。

 昔の大陸で、「東方不敗」を名乗る魔人がいました。彼はその巨大な力を用いて、暴虐の限りをつくし、人民を苦しめたりしていました。
 この物語の冒頭で、「東方不敗」は最強の力を得る為に葵花法典(きかほうてん)に書かれた秘術を用いて女性になる(つまり「男」を捨てて女性の体に・・・)のです。そして、東方不敗と若い剣士はお互いに惹かれ合います。
 しかし運命とは残酷なもので、お互いに敵同士である事に気づかないまま恋を歌うのですが、最後には権力争いの末に・・・

 ところで、わかっていると思いますがブリジット・リンはれっきとした女性です。

激しく剣が舞い、宙を飛ぶ!

 この映画ではアクションもいわゆる「カンフー」アクションではなく、どちらかと言うと「武侠」物です。そして登場人物たちはみんな尋常ではない力を持っていて、ある者は剣を宙に舞わせたまま闘うし、ある者は毒蛇を体内に飼っているし、ある者は宙を飛び・・・とにかく荒唐無稽で、私も「・・・何が起こってるの?」としか・・・(苦笑)さらに東方不敗が日本から呼び寄せたサムライや忍者(大爆笑)まで入り乱れて闘いまくるし・・・。
 そういう「とんでもないやつら」がたくさん出てきますが、あまり考えなくていいです。・・・だって、東方不敗の無茶苦茶さに比べたらかわいいもんですもん。襲いかかる敵に対し、針と糸を飛ばして倒したりするし。
 そう・・・この映画はある意味「荒唐無稽」をそのまま形にしたような映画です。
 香港映画初心者にはおすすめしにくいですが(というより、好みが・・・特にチャンバラアクションのシーン)、東方不敗というキャラを見る為なら見てもいいのでは。他にいないもん、こんなヤツ・・・。

原作もあります

 ちなみにこの作品には原作があります。ただし未訳なのですが・・・。
 作者は「金庸」(きんよう)・・・中国ではかなり有名な武侠小説の大家だそうです。日本で言えば隆 慶一郎や司馬 遼太郎ですね(念のため断っておきますが、「武侠小説」と「歴史小説」は別物です。あと、どっちかと言えば隆 慶一郎の書く「伝奇小説」に近いようです)。一応、別の作品の一部が日本語訳化されて出版されているようです。(ただ、とても長いんだそうな・・・)
 そして、「東方不敗」は実際には「笑倣紅湖」シリーズの2作目に当たるんだそうです。ただ、話のつながりはほとんどないそうなので気にしなくても大丈夫でしょう。(これを気にしていたら原作は・・・)

おまけ:機動武闘伝Gガンダム

 ・・・と、もう知っている方もいると思いますが、「機動武闘伝Gガンダム」に出てくるネタの多くがこの映画からとられています。ざっとみても、

Gガンダムネタ→元ネタ
東方不敗(マスターアジア)→「東方不敗」から
ウォルターガンダム(笑倣紅湖)→原題から
風雲再起(馬の名前ね・・・)→続編のタイトル「風雲再起」(邦題:「スウォーズマン/女神復活の章」)から

 とどめが、ドモンと東方不敗(マスターアジア)との掛け合いでおなじみの
「流派!東方不敗は王者の風よ!全新系裂 天破侠乱 見よ!東方は赤く燃えている!」は
「新一派東方不敗王者之風!全新招式 石破天驚 看招!血染東方一片紅!」が元ネタのようです。
(元ネタの方は香港映画関係のサイトで知りました)
 原文はよーくみると、「さらば師匠!マシターアジア暁に死す」の回で出てくるんですよ(笑)ほら、ドモンと師匠が泣きながら夕陽に向かって叫ぶシーン。あそこで背景に浮かび上がる文章が原文なんです。
 これを見る分には「流派東方不敗が最終奥義 石破天驚拳」の元ネタもここからなんでしょう。多分・・・。
 他には「ワンス・アポン〜」でも書いた「獅王争覇」(グランドガンダム)に、「Gガンダム」に出てくる「ウォン・ユンファ」は「黄飛鴻」の「ウォン」と「チョウ・ユンファ」(もちろん香港映画の俳優です)の合わせ言葉です。

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