うしとらのたわごと 2013年9月


やっと読了

 やっと「古きものたちの墓 クトゥルフ神話への招待」を読了。
 ちびちびと読んではいたんだけど、表題作だけは他の作品より量が多いので一番最後に回してたんだけどね。やっと読み終わった……というかサボってたんだけど(マテ)←いやだって暑かったし!コミケもあったし!

 しかし今回もラインナップがいいなぁ。ゴーツウッド絡みの話は前から興味があったので邦訳が出たのが嬉しいし、コリン・ウィルソンによる表題作「古きものたちの墓」は「狂気山脈」の「その後」が描かれてるし、最後には森瀬繚さんによる「濃い」解説だし(最初ここから読んだんだけどそれでも結構時間がかかった……)。
 特にゴーツウッド絡みは今までにも「設定や話だけはちらちらと聞こえてくる」物だっただけにねぇ。なるほどこういう感じなのか、と思ったり。
 「けがれ」も気になる話だったんだけど、読んでて「あーあー……」と思う内容で、確かに翻訳がある意味難しい内容だなぁと思ったり。

 しかし表題作「古きものたちの墓」は最後の最後で「あ……」と思う辺り(ヒント:「タイトル」から想像するよなぁ普通は……)、まあ読んでてこの辺で薄々「もしや……?」と思いつつもそれなりにショックな内容になる辺り、流石だなぁと思う。
 うん、今回も結構面白かったなぁ。


久しぶりにダンセイニ絡みの本

 久々に洋書を注文。いやコミケの前後は予算の関係で買い物しにくかったし……
 今回注文したのは、「The Book of Wonder and The Last Book of Wonder :Tolkien's Bookshelf #8」と「Critical Essays on Lord Dunsany」の2冊。

 まず、前者から。これはTolkien's Bookshelf(トールキンの本棚)の題名が示すように、トールキンに影響を与えた作家・作品をそれぞれまとめた選書と言うか叢書と言うか……の8巻目。ちなみに他の巻は「ニーベルンゲンの歌」「古エッダ」「輝く平原の物語(モリス)」「あかいろの童話集」「王女とゴブリン(マクドナルド)」「The Saga of Eric Brighteyes(ハガード)」「ウロボロス(エディスン)」「King Arthur and his Knights」「グリム童話」……という感じで、しかも全て挿絵本が元という事で結構豪華な内容。なお公式サイトがあります。
 序文をざっと読んでみたところ、トールキンは「驚異の書」を読んでたという事のようで……ちなみに序文で言及のあるダンセイニ作品は、「チュー・ブとシーミッシュ」「ギベリン族の宝蔵」「宝石屋サンゴブリンド、並びに彼を見舞った凶運にまつわる悲惨な物語」「スフィンクスの館」「三人の文士に降りかかった有り得べき冒険」。それぞれトールキンのそれぞれの作品に関連しての言及ですね。
 また「最後の驚異の書」は「驚異の書」の続きという説明で、シャード船長やサンゴブリンドの息子が登場する旨を書いています。
 そしてこの本は挿絵が全部収録なのですが、題名もきちんと載っていたり。ちなみに底本が米国版なので、挿絵の題も米国版に準拠しています(余談だけど、「最後の驚異の書」の始めの方では「最後の驚異の書、最初は1916年驚異の物語として出版」の記載があります。言うまでもない事と思いますが、元々の英国版はTales of Wonderなんですよね)。

 ちなみにこの本と同様に「驚異の書」「驚異の物語(最後の驚異の書)」を共に収録した物というと、Dover社が出した「Wonder Tales」があるんだけど、これと比べると……今回の本はかなり厚い……(苦笑)いや前の本の方が薄いのか?(ちなみにWonder Talesは挿絵を収録してません。表紙に挿絵使ってるけど)
 ともあれ、挿絵が全部収録されているというのは嬉しい誤算(いや未谷さんが買ったというので「どんな感じかなー」と思って注文しただけで挿絵についてはノーマークだったので……いや表紙の挿絵は知ってましたが)。

 そして後者の本ですが、これはタイトル通りダンセイニについての各種テキストをまとめた物で、S.T.ヨシ編集です。(出版社グループでの書誌情報:念の為書いておくけど実際の出版はScarecrowですが、ここもThe Rowman & Littlefield Publishingグループの中に含まれているようです。なのでURLがRowmanなのね)
 各種テキストというのは……えーと……例えば本の序文とか、劇の感想とか書評とか色々。と書いても読まないとわからないと思うので、一部を抜き出すと……
 「Lord Dunsany:King of Dreams」からとか、イェイツ編の「ダンセイニ選集」に寄せられたイェイツ序文とか、ラヴクラフトの「ダンセイニ卿とその著作」とか、米国版「夢見る人の物語とその他の物語」に収録されているパードリック・コラムの序文とか、アーサー・C・クラークによるダンセイニ紹介の記事とか……まずはこの辺が目につきますね。
 他にもダンセイニ作品においての他作品との比較(「ドン・キホーテ」と「影の谷物語」とか)を述べたものとか、トールキン(作品)へのダンセイニ作品の影響を研究した物とか……要するに色々なのですね。なので、それぞれの文章が書かれた年代も割とバラバラで、ダンセイニ存命の時の物から最近(2012〜2013年)のものまであったり。
 それぞれのテキスト自体が結構興味深いものなので、こういう風に様々な場所に載ってた物が一纏めの本になるのは嬉しいなぁ。

 という事で、久しぶりにダンセイニ本でわーい、だったり。……読むの?ってツッコミはナシで……(汗)
 ちなみに後者の本って、結構高い(とは言っても$70ぐらいですが)ので、実際に出るのが早まったと連絡が来た時はちょっとびっくりした……(苦笑)買い物抑えてて良かった……(汗)


トップに戻る
「たわごとの部屋」に戻る

うしとら
usitoraあっとqj9.so-net.ne.jp