「ウィスキー&ジョーキンズ ダンセイニの幻想法螺話」(ロード・ダンセイニ著 中野善夫訳 国書刊行会)を読了。いやあ面白かったし、表紙絵もいい感じに内容を表してていい構成で良かった。
感想はTwitterの方ではワザとわけわからん(でも読んだ人にはわかる……はず)形での感想にしてたけど、こっちでは流石に普通の文章も追加しとこ……という事で。
「アブ・ラヒーブの話」
アブ・ラヒーブかわいいよアブ・ラヒーブ(いや表紙のソレが本当にねえ……)
途中で気になる箇所があったので原文を見てみたら、「soft-nosed or solid bullets」なのね。確かに日本語でそのまんまの情報は見当たらないなあ……
「薄暗い部屋で」
うん、ヒドいな…………(苦笑)いや笑ったけど……実にヒドいな、うん。
「象の狙撃」
話の流れで「ああそうなるよね……うん……」と思ってしまうオチだなあ。
「渇きに苦しまない護符」まあ、確かに理由は「ソレ」ではないな…(苦笑)と思うオチなんだけど。
「失なわれた恋」オチにはなるほど(笑)「してやられた」感がいいねえ。
「リルズウッドの森の開発」そういうオチになるのか(苦笑)いやいいんですが。
「真珠色の浜辺」なるほど(笑)確かに(笑)……いいんですか?こんなオチで(いやいいんじゃねえの?)
「アフリカの魔術」いやー笑った笑った。2つの意味で。これも途中から「……まさか……ってやっぱりかよ!!」だなあ。
「一族の友人」ある意味「今」読んだ方がタイミング良いなあ。(注:読んだのはクリスマスの日)
「流れよ涙」オチ:そりゃそうだ(爆笑)
「ジョーキンズの忍耐」オチがヒドい(苦笑)そのまんまマンガのコマみたいな場面が思い浮かんでしまった。
「リンガムへの道」雰囲気中心の話だなあ。
「ライアンは如何にしてロシアから脱出したか」これはちょっと珍しいパターン。昔の「月に行く」映画とかを連想するなあ。
「オジマンディアス」ちょっとした謎解きが面白かった。昔のミスマガに載ってそうな話だなあと読んでて思ったり。(実際昔のEQMMやミスマガ等で「ちょっとしたミステリ作品」としてダンセイニ作品が載ってた事はあるんですよね)
「スフィンクスの秘密」うぉい、そこで終わるのかよ!(ズコー)……というか、さりげなく凄い事をサラッと言っちゃってるけど。いやそうじゃなくてさ、確かに「そっち」もびっくりするんだけどさ……(悶絶)
「魔女の森のジョーキンズ」最後に時の流れの残酷さが出てくるなあ…(苦笑)
「ジョーキンズ、馬を走らせる」うわー…なオチ(苦笑)ちなみにオチはダンセイニの別の短編を思い出すけど、ネタバレなのでコメントアウトで。\
「奇妙な島」最後の最後で「ああなるほど」と思う話だなあ。
「スルタンと猿とバナナ」冒頭の話の通りの話だなあ。
「徴」オチがなかなかに皮肉だなあ。
「ナポリタンアイス」わはは、そういう事か!(笑)確かに嘘は言ってない。
「ジョーキンズ、予言者に訊く」うん、そういうオチになるよね(苦笑)
「夢の響き」なかなか面白い話。これだけは雑誌掲載時の原題の訳を邦題にしてるけど、こっちの方が「らしい」感じだなあ。
ちなみにTwitterの方でも書いたけど、この中から1つ選ぶとすると「アフリカの魔術」。
理由は「一番笑ったから」。いや読んでてそのまま脳内でマンガになっちゃった上にオチで爆笑だったからなあ……
他には「薄暗い部屋で」「ジョーキンズの忍耐」辺りがオチで笑ったなあ。
幻想方面だと「夢の響き」と「ナポリタンアイス」。
表紙の絵で気に入ったのが「アブ・ラヒーブの話」だなあ(コレを見た後改めて読んだら「アブ・ラヒーブかわいいよアブ・ラヒーブ」になっちゃってまあ……)
ともあれ、これで「魔法の国の旅人」に「ウィスキー&ジョーキンズ」でジョーキンズ作品がいくつか日本語で読めるようになったけど、残りは……ううむ。(残りがどれだけあるかは「ジョーキンズ全集 収録作品リスト」を参考に……)
「超訳 ラヴクラフトライト」(手仮りりこ訳・創土社)を読了。
なるほど、ライトノベル風ってだけじゃなくラヴクラフトの原作をわかりやすくする為にアレンジしてあるのね。かなり大胆なアレンジだけど、どういう事が起きたのかなどがわかりやすくなってると思う。
特にびっくりしたのが登場人物の存在とか、話の繋がり方のアレンジだけど、読み終わったらなるほどこのアレンジもうまいやり方だなあと思ったり。以前コミック化した物があって、そちらでもわかりやすいなあと思ってたんだけど、文章は文章で工夫出来る事があったんだなあという見本だなあ。(もっとも、こういう手法がそうそう出来る事じゃないのは承知の上なので念の為)
しかしこうアレンジしたって事は、他の作品も「関連性」を持たせる感じになるのかなあとか、ドリームランド物は出るのかなとか期待したりするけど、まあそれは続きが発表されない事には……
あと竹岡啓による解説も興味深い内容。ラヴクラフト関係で意外と言及があまりない部分への話があったりするし。
さて2巻が楽しみだなあ……